2ペンスの希望

映画言論活動中です

漫画『かくかくしかじか』

東村アキコさんの漫画『かくかくしかじか』全5巻【2012年7月〜2015年3月 集英社】を読んだ。 年始一番の◎  宮崎県の女子高生がスパルタ講師の特訓で成長していく自伝・女性漫画家版『まんが道』というしつらえだが、もちろん藤子不二雄さんのものとは、趣きも印象も違う。
何より絵が達者なのが気持ち良い。空の表情、描線の魅力、空気感。
絵の力。巻4の後段に担当編集者
U岡さんのこんなセリフが出てくる。「紙の上に自分を 落とせる人は 強いよ
もう一か所好きな場面を引く。
二人展をやるぞと詰め寄られて、「あたし 今 描きたいものとか 全然ないし」と逃げを打つ主人公林に言い放つ日高講師の言葉。「林 描きたいものなんて なくていいんやただ 描けばいい んや 目の前に あるものを   描きたいものなんか 探しとるから ダメになる  描けなくなる  お前は余計なこと 考えすぎじゃ」 巻3 中盤
映画と同じで漫画も自分の目で見なきゃあ話にならない。あとは勝手にやっちくれ、だ。