2ペンスの希望

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漫勉:たかを

漫画好きの友人に教えられて、このところNHK ETV『浦沢直樹の漫勉』を観ている。
どんな番組かはご自分でどうぞ。適当にググってみて欲しい。
YouTubeにも多数アップされているので過去の放送分も自由に見ることが出来る。
最近の萩尾望都花沢健吾も面白かったが、
お奨めは、東村アキコの回と、さいとう・たかをの回。
御齢79歳、49年間書き続けるゴルゴ13が、下書き無し簡単なアタリだけでいきなり太マジックで眉毛から描き始める場面には驚いた。




さいとう 我々の世界は、映画とかと一緒で、先にお金をとってしまう。 それから本を売るわけでしょ。そういう世界である以上、お金を先に払っただけの値打ちがないことには、その職業というのは絶対に衰退する。

番組中に入りきらなかったやりとりも番組ホームページで読める。 こちらもお奨め。
稼業と渡世。 プロがどれだけ細かなところにまで心血を注いでいるかがよくわかる。

さいとう 「ふきだしの方向」と「音」(擬音)だけは、絶対に自分で入れるの。
浦沢  スタッフさんに任せたりすると、ちょっと見当違いのところに入ったりする。僕もふきだしを描く作業は絶対に自分でやりますね。漫画って、やっぱり読みやすいっていうのが、まず第一なので。
さいとう そう。読みやすさっていうのが、一つの条件。音を自分で入れるのはね、音で流れを出していることが多いからなんですよ、コマからコマの流れを。
‥‥‥
さいとう 私たちが「劇画」と呼んだのは、あくまで漫画とは違うんだ、ということ。そのころの漫画といえば、一コマ漫画とか四コマ漫画のことだった。‥‥“笑い”や“風刺”が主体だった。我々が目指したのはドラマが主体で、それに「劇画」という名称をつけたかったわけ。ところが、“わたし風の絵柄”が「劇画」だ、みたいな風潮がでてきて。