映画を見るのに、知識はいらない。けど、教養は欲しい。そう思う。
教養＝リベラル・アーツ。原義は「人を自由にする学問」。古来・古代、自由であるために身に付けておくとよろしろかろう七科が挙げられてきた。言語にかかわる三科：文法、修辞学、論理学(弁証法）＋ 数学にかかわる四科：算術、幾何、天文、音楽。
この七科を統べるのが哲学だった。
【 ←自由七科の女神が哲学を囲む図 】
そういえば、昔の大学にあった前期二年間の教養課程や文系学部は、昨今需要減で影が薄くなっているという本を読んだ。(室井尚「文系学部解体」角川新書2015年12月 刊）実利実学ばかりが幅を利かせる時代は貧しく不幸だ。知識や情報の多寡を競って何になる。そんなのは高がしれてる。
情趣や情動を感受する力がおろそかにされ萎えていく方がずっと深刻、嘆かわしい。
