2ペンスの希望

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2022-08-01から1ヶ月間の記事一覧

全面是正 妄言多謝 (饅頭本)

少し前に「饅頭映画?」と題して「饅頭本」について書いた。やらかしちまった。失礼しました!!ここに全面是正します。 饅頭本は、「やたら豪華なつくりの記念本。盛られた上げ底 ヨイショ本。‥‥。あまり歓迎されない代物のようだ。非売品。売らない。とい…

クロサワ映画

クロサワ映画と聞けば、皆さん 今 何を思い浮かべるのだろう。 コッポラやスピルバーグ、ルーカスなどが称賛する黒澤明監督映画だろうか。 或いは、蓮實チルドレン=ホラーの黒沢清監督映画だろうか。 いえいえそれだけじゃない。 「文字通りの『クロサワ映画…

「誰だ それ」時代

若い衆と話していると知らない映画監督の名前が頻出する。一方で、オーソン・ウェルズ、とか、ジャン・ルノアールと言っても分からない。映画好きという人でも同じようなもの。コッポラ、ルーカスだって知らない。「誰だ、それ」と言われてしまうのがオチだ…

饅頭映画?

古本屋さんの世界には、「饅頭本:まんじゅうぼん」というのがあるそうだ。 かつて 葬式や祝い事などの席で配られるまんじゅう(葬式饅頭・紅白饅頭)にちなんで、「売るためではなく、故人の追悼や何かの記念のために作られた本」のことだ。 やたら豪華なつ…

岡村淳『忘れられない日本人移民』

暑さにかまけて、映画は見ないで映画にまつわる本ばかり読んでいる。なかでとても豊かな本に出合った。 岡本淳さんの『忘れられない日本人移民 ブラジルへ渡った記録映像作家の旅 』【2013.4.25. 港の人 刊】 カンのいい人ならピンと来るかも知れない。そう …

謹呈署名代 百壱萬圓也

相変わらず次々に新刊が出る小津本だが、「生前OZUがまだ〈神様〉になる前」(©中山信如さん:稲垣書店)に出た一冊に『お茶漬の味 他』がある。 野田高梧との共著。1952(S27)年 青山書院刊B6 362頁の自装本だ。 『晩春』『麦秋』『お茶漬の味』などのシナ…

『日本人の知らない日本語』シリーズ ピンク映画 篇

『日本人の知らない日本語』シリーズにはこんな記述もあった。 お国によって劣情刺激=わいせつエッチ=成人映画の呼び方は様々。 日本では、そう、「ピンク 映画」桃色 アメリカでは、アダルト映画は「Blue film(ブルー フィルム)」青色 中国では、「黄色…

『日本人の知らない日本語』シリーズ ミンボーの女 篇

『日本人の知らない日本語 4 海外篇』ヨーロッパの大学での見聞記。 1992年『ミンボーの女』 伊丹十三や宮本信子がこんなところで活躍してるなんて‥ちょっと 愉快。

『日本人の知らない日本語』シリーズ あ可よろし 篇

フランスから来た任侠映画マニアマダム・続編。 管理人も「名作」だと思ってます。

『日本人の知らない日本語』シリーズ 任侠マダム 篇

今日は、蛇蔵&海野凪子の『日本人の知らない日本語』シリーズ本【メディアファクトリー/KADOKAWA 2009~2013】から。 日本語学校の先生と外国人学生がくりひろげる日本語をめぐるドタバタ。知らないアレコレが見えてきて面白かった。 中から映画にまつわる…

久住昌之 讃 続(デビュー短編漫画「夜行」)

『孤独のグルメ』で久住昌之さんに触れたのがきっかけで、40年ぶりにデビュー作『夜行』のことを思い出した。(雑誌「ガロ」1981年1月号入選作として初掲載。当時タッグを組んでいた泉晴紀との連名ペンネーム「泉昌之」となっている)2年後には初短編集単行…

久住昌之 讃(店主 客)

『孤独のグルメ』は反(アンチ)グルメ漫画だ。全 32話。何でもない地べたの料理の話が並ぶなか、2話だけ料理より店主と客の話がある。店主のふるまいにキレて喧嘩になる第12話(カウンターの中 客の前で ことあるごとに外国人従業員=留学生?を怒鳴りつける…

上ネタ

上ネタといっても寿司ネタのことじゃない。 下ネタが、下半身・エロ話の類なら、上ネタというのは、上半身とりわけ口の話・食にまつわるアレコレだ。命名者は久住昌之さん。そう 漫画『孤独のグルメ』の原作者だ。(作画は谷口ジローさん) 久住さんはこう書…

特装本

新潮社には単行本の発行部数が10万部を突破すると、表紙が革の特装本を作って収納保存するそうだ。1956年刊行の三島由紀夫『金閣寺』に始まった伝統らしい。高度な技術で一冊一冊手作りで作られる。いまでは手掛ける職人さんはたった一人になってしまったと…

経済と科学技術

いつの時代にも、どんな社会でも、人間世界のあらゆる事象は、とどのつまりは、「お金」と「技術」の問題に行き着くのだろうか。 数とお金をどこまでどう意識して事に当たるのか、どこまでを算段して図面を描くのか、そのためにどんな技術を選んで身に着ける…

ペンネーム ハンドルネーム

ペンネームというのがある。昔々からある。実名を伏せて筆名で執筆した創作物。名のある作家であることが知られることもあれば、訳ありで秘した覆面作家というケースもある。人によっては、ジャンルや内容によって複数のペンネームを使う例もある。ラジオ投…

進歩と後退 或いは 利便と貧寒

パソコンで原稿を入力して、メールで送って入稿するようになって、手書きの自筆原稿は消滅した。 かつての手書き原稿の稀少性・高額売買人気は過去の遺物になってしまった。 技術の進歩が何かを消し去ってしまうことにもう少し注意深くなってもいいんじゃな…

『「坊ちゃん」の時代』 追記

『坊ちゃんの時代』からもうひとつ。「第三部 かの蒼空に」 主人公は啄木石川一。強心臓の浪費癖。前借・寸借の常習犯。女郎買いを生理的無駄遣いと日記に書く。自分の性格の底にひそむ逃避癖と放埓さ(の必然)を自覚した近代人。夭折の天才歌人像をくつが…

『「坊ちゃん」の時代』 五部作

『「坊ちゃん」の時代』を全巻 読んだ。1987年から1996年まで双葉社刊行の雑誌『漫画アクション』に連載された大河漫画だ。「凛冽たり近代なお生彩あり明治人」の冠詞を持つ。 漱石夏目金之助を中心に明治の文学者たち政治家たちが登場し、時代や世相を描く…

ムービー・ルネッサンス

❝ムービー・ルネッサンス❞ こなれの悪い折衷外国語でゴメン。なに、古典に還れ、という運動、そのスローガン=キャッチフレーズのつもりだ。もとより誰かが言ってるわけじゃない。誰も知らない言葉だ。昔々〝ヌーヴェル・ヴァーグ〟という言葉が一世風靡し、…

『コールヒストリー』

少し前だが、鳥取・湯梨浜町の映画館 jig theater に行って佐々木友輔監督の映『コールヒストリー』【2019 89分 】を観て来た。 jig theaterについても、佐々木友輔さんについても何度か書いてきた。 jig theater のことはコチラで⇒ jig theater - 2ペンスの…