2ペンスの希望

映画言論活動中です

2023-04-01から1ヶ月間の記事一覧

斎藤環:映画機能主義者

斎藤環の『映画のまなざし転移』【2023.2.22. 青土社 刊】を読んだ。『キネマ旬報』誌に十年以上にわたって隔号連載した記事を中心にまとめたものだ。 前回の太田和彦とは180度違うがこれまた年季の入った映画愛好家である。本業は(ご承知のことだろうが)…

太田和彦『映画、幸福への招待』

太田和彦さんの『映画、幸福への招待』【2023.2.10. 晶文社 刊】を読んだ。 居酒屋探訪でつとに有名だが、無類の映画好きだとは初めて知った(面目ない)。管理人より2年先輩、映画体験はどっぷり重なる。懐かしい名前が続々ゴロゴロ出てくる。 帯には、「…

立ち位置

先回は本『「私のはなし 部落のはなし」の話』の本筋とは別の端っこ どうでもよい無駄口 馬鹿話 をした。今日は 本線の話。 著者の満若勇咲さん 36歳(2023年4月現在) の本業は、TVドキュメンタリーの撮影だ。 撮影の仕事を始めて、ドキュメンタリーの撮影で…

「お前らちゃんと下積みしろよ。‥」

満若勇咲さんの本『「私のはなし 部落のはなし」の話』【2023.2.25. 中央公論新社 刊】を読んでいる。 装幀:内澤旬子 企画・編集協力:朝山実 2010年劇場公開未遂第一作映画『にくのひと』に次ぐ第二作映画『私のはなし 部落のはなし』の制作過程=自分史・…

「手あたり次第」が一番

きっと芸達者な人なんだろうなぁと思いながら、遠ざけてきた町田康さんの新書『私の文学史 なぜ俺はこんな人間になったのか?』【2022.8.10. NHK出版新書】を読んだ。NHK文化センター青山教室でのトークを元にした本だ。 「自分語りはみっともなくって気恥ず…