2ペンスの希望

映画言論活動中です

2012-08-01から1ヶ月間の記事一覧

勝手

ネットサーフィンしてたら、こんなのを見つけた。 劇場公開当時の予告編と、デジタル編集時代の今になってファン(らしき人物)が勝手に作った予告編。撮影所時代の予告編は、チーフ助監督が作るというのが大方の相場だった。中には、予告編の方が出来が良い…

オーフェン

最近オーフェン・フィルムという言葉を知った。オーフェン(orphan)とは、英語で「孤児」を意味する言葉、従ってオーフェンフィルムとは「孤児映画」ということだ。提唱者は、1957年生まれのパオロ・ケルキ・ウザイさん。彼の論文が NPO映画保存協会のHPに…

「幸福感」

機会があって、古い8mmフィルムをデジタルメディアに復元保存した映画を観た。三好大輔作『8ミリの記憶』DVD45分。 8mm映画、昔は小型映画、ホームムービーなどとも呼ばれた。全国に愛好家があり、専門誌やコンテストも盛んだった。いまならさしずめデジ…

のっぴきならない

女性なら断然 高野文子だ。寡作だがどれも全力投球・剛速球。詩誌(の筈だった)ユリイカ2002年7月号『特集高野文子』はオススメだ。 評論には相変わらずのカッコづけの大馬鹿者や懲りない大家、青二才が並ぶが、 高野さん自身が同業者大友克洋と語り合う…

フィルムは〜

手塚治虫のこれ一本ということなら迷うことなく『フィルムは生きている』を挙げる。 アトムでもBJでもない。ただただ一途にマンガ映画作りを夢見る少年がヒーローだった。拙管理人が持っているのは、鈴木出版発行版手塚治虫漫画選集5、定価170円。 奥付…

猿飛

子供の頃は何といっても杉浦茂だった。手塚より人気もあった。 何度か再発見ブームが起きて若い世代の注目を集め、今やスタンダードとなった。復刻版や回顧展も多い。杉浦漫画は摩訶不思議、奇想天外、ナンセンスなどと評されるが、まともな評論・評価はまだ…

海辺の叙景

つげ義春のマンガが好きだった。最高傑作というわけではないが、忘れられない一作に『海辺の叙景』がある。 1967年9月雑誌「ガロ」に掲載された。この年、つげは矢継ぎ早に新作を執筆、毎月のように発表していた。毎月発売日を待ちかねて読んだ。 当たり…

投票

購読しているメルマガで、プラネット映画資料図書館 神戸映画資料館の安井喜雄さんが、「英国映画協会(BFI, British Film Institute)が発行する映画誌「Sight & Sound」で10年に一度実施している、世界の批評家が選ぶ偉大な映画50選(「The Top50 Greatest…

貫目が‥

小さな世界にも政治はある。いや、小さな世界だからこそ、というべきか。覇権争い、権謀術数(というにはあまりにみみっちすぎるが)。小さな村でお山の大将になりたがる。敵と味方を峻別し、多数派工作に腐心する。あーやだやだ。皆さん目指したのは、権力…

悪人と気づくのは‥

これまで、宗教については遠ざけてやってきた。 神も仏もあるものか、と思っているわけではない。この世に人知を超えたものがあることは認める。ただ、宗教は良く分からないからこわいのだ。それでも幾つか忘れられない言葉がある。 数年前に縁あって、親鸞…

「責任」の所在

大手シネコンに対抗して、一括りにされることも少なくないミニシアターだが、その歴史や運営形態は多様だ。昨日書いた伊勢の進富座さんや北海道浦河の大黒座さんなどは、自主独立の個人経営、他にもNPO団体やシネクラブ組織が運営するもの、公設民営のも…

伊勢

昨日 かねてより懸案だった伊勢の映画館『進富座』さんに行ってきた。 去る四月に製作に携わった野村惠一監督の映画三本を特集上映して戴いていた。その折に伺うつもりで愉しみにしていたのだが、やむを得ぬ事情で果たせなかった。今回初めて現館主・水野昌…

「表現」の「役割」

「表現」というものはすべて,「現実」を「壊す」ために,(壊すというのが言いすぎなら)「突き動かす」ためにつくられるのではないか、岡田利規さんという劇作家の文章を読んでそんなことを考えた。読んだのは「パブリッシャーズ・レビュー」というPR紙20…

千鳥

昨日、金子みすゞに触れた。そうしたら、不意に田中千鳥のことを思い出した。 今日は千鳥のことを書く。 田中千鳥。1917年(大正六年)3月 山陰鳥取の気高町に生まれ1924年(大正十三年)8月没。亡くなったときは小学二年生だった。 千鳥のことを知っ…

浮きこぼれ

最近は少し下火になったようだが、KYという言葉が嫌いだ。隠語めいた省略が下品としか思えない。そもそも「空気を読む」という〈卑屈〉が嫌だ。それでも、人と違っていることを極端に恐れる風潮は強いようだ。同調圧力。浮く、目立つことを避ける。人から自…

一気通貫

ご多分に漏れず、映画界は製作サイドと興行サイドはズット仲が悪かった。 どの世界でも同じようなものかも知れない。 かつて新聞屋さんの世界では、インテリが作ってヤクザが売ると聞いたことがある。 映画はインテリが作ってるとはとても思えないが、作るの…

児戯却下

もちろん映画はどんな形で作られても構わない。 が、児戯に等しい映画は正直見苦しくていけない。子どものホームビデオを見せられて喜んでいるのは、家族と関係者だけ。そんなことは判りきったこと(の筈だっだ)。 たまに「少年の純真さを失っていない」と…

描写と表現

先輩の監督さんとやり取りしていて、こんな話になった。 凸「最近の映画には、描写はあっても表現がない。「描写」や「説明」は それなりに巧みになったけど、作り手の「これだけは云いたい」という切迫感に 裏打ちされた「表現」はめっきり減った」 凹「確か…

C調

C調=軽薄で調子のいい人。C調=明るいメジャーな調子(ハ長調) C調=1960年代ジャズマンの楽屋言葉から広まり、一世風靡した流行語。けど、もはや死語か。しかしある時期C調といえば、何といってもクレージーキャッツであり植木等だった。 ということ…