2ペンスの希望

映画言論活動中です

2014-11-01から1ヶ月間の記事一覧

一字違いで‥

ばっちり とばっちり ラジオでこんなのをやっていた。 一字違いで大違い。 たくみ たくらみ 一文字加えるだけで言葉は変容する。 狭霧 朝霧 こんなきれいなのもある。 いとし いいとし 当管理人の心境 きょう ふきょう これもそう きょう きょうふ これまた…

営業部長!?

西川美和「名作はいつもアイマイ」の後書き「もう夢は見ないけれど」にこんな一節があった。なぜオリジナル脚本にこだわるかを語ったくだり。 「映画監督なんていったって、マリンキャップの黒眼鏡で、フレームに入ってしまった民家をどかしてしまえと言い放…

アイマイ

西川美和編著「名作はいつもアイマイ 溺れる読書案内」を読んでいる。【講談社2008年6月刊】芥川から色川、向田まで十篇が採り上げられている。名作はいつもアイマイ。確かにその通りだ。ふくよかでしなやか、柔らかにして鋭利、弾性と剛性を倶に持つ。 …

評価

久しぶりに封切り日に映画を観た。(封切りという言葉も古臭いが‥) 正統的な「短編文化映画」的なつくりで懐かしく好感を持った。けど、はたと立ち往生してしまった。 良く言えば、抑制の効いたおだやかな評伝映画、 しかし、 悪く言えば、踏み込みの少ない中…

ライター

昨今 評論家というのは流行らないらしい。 ハスミ、ヤマネ以降、とんとお目にかからない。それでも、紙・電波・ウエブ様々なメディアで、映画についての発言や記事は増えているように思う。 が、評論家という肩書きは見当たらない。おこがましいのか、奥ゆか…

男の顔は‥

加藤泰監督の映画はたくさん見てきた。好きな映画は何本もあるが、一番思い出深い映画を一本だけ‥ということなら、迷わない。1966年松竹作品『男の顔は履歴書』 ということで、今日は久しぶりに予告編。 ちゃちな張りぼて人形、主役の棒読み丸出し台詞‥‥…

長回し

記録媒体が、フィルムから磁気テープ、ディスク、メモリーカードへと変わるにつれて、 長回しがますます増えている。 緊張感を欠いた撮りっぱなし、だらだらと続く長回しには辟易する。それでも、ライブ感を大切にした、生な一回性・偶然性の尊重、現場の空…

「昔々勝手にしやがれという希望」

大学時代の先輩から句集を送って(贈って)いただいた。 『忘憂日録』【甲斐一敏句集 ふらんす堂 2014年11月刊】 初句集だ。大変な映画好きで、映画にちなんだ句も数多く並んでいる。 今朝ほど、その先輩から思いがけなく素敵な知らせを受け取った。 清…

「100調べて10書け」

清水潔さんの本を読んだ。 『殺人犯はそこにいる 北関東連続幼女誘拐殺人事件』【新潮社2013年12日】 清水さんは「フォーカス」のキャメラマンを経て、現在は日本テレビ報道局の調査報道・事件記者。調査報道のあるべき姿を挙げている。 「100調べて…

具体1

桃、柿、蜜柑、そしてトマトとくれば、日本映画好きの何人かは“はぁはーん”と分かるだろう。そのとお〜り。加藤泰監督の十八番、季節の果物を使ったラブシーン演出である。桃は『明治侠客伝 三代目襲名』、柿は『遊侠一匹』、蜜柑は『緋牡丹博徒 お竜参上』…

キャッチャー?バッター?

昨今の民主主義のあり方を憂えた本の中にこんな一節があった。 「映画の観客が「鑑賞者」ではなく、「消費者」と化してきているのです。のみならず、作り手も何でも懇切丁寧に説明し、悲しい場面に悲しい音楽を流し、楽しい場面には明るい音楽を流す。つまり作…

底荷

若い頃から小関智弘さんの本が好きで欠かさず読んできた。 忘られられない言葉は幾つもあるが、「底荷」はそのひとつだ。小関さんは書いている。 「町工場の旋盤工という労働生活を底荷として,ずっと文章を書いてきました」【講談社現代新書「働くことは生き…

眼福

目を背けたくなるようなのは、現実だけで十分だ。 それがいかにリアルであっても、狭い映画・冷たい映画は見たくない。おぞましいものもパス。ザラリと砂を噛んだような後味はゴメンだ。美しいもの、温かくなるもの、人間捨てたもんじゃないなと幸福な気分に…

カリギュラ効果

隠されたら見たくなる。これをカリギュラ効果というのだそうだ。 つい最近、阪急電車の社内吊り広告で知った。 モザイク、ピー音、袋とじなどが例に挙がっていた。「絶対にひとりで見ないで下さい」「本気で儲けたい人にだけオススメ」とかいうのもそうらしい…

緩く・浅く・薄く

これまで「緩く・浅く・薄く」は貶めてきた。 もっと緊(きつ)く、もっと深く、もっと濃く、必然がほしい、切実が大事!そう叫んできた。一方で、 なりふり構わず青筋立てて、というのは敬遠してきた。 作らないで作る、汗もかかずに左団扇、虫ピン一本で急所…

パン猪狩

PCがクラッシュしたお陰で、この一月いつもより多く本を読んだり昔の映画を見てきた。もっともPCがあろうがなかろうが、映画と本の日々に然したる変わりはないのだが‥。なかで、放送作家の滝大作さんが書いた『パン猪狩の裏街道中膝栗毛』【白水社1986年…

秋休み終了

PCが復活しました。 タワー型のデスクトップと相変わらずの旧式ですが‥。 それでも諸々のソフトが新しくなりました。速くなったのは良いのですが、使い勝手が違うので、ヨチヨチモタモタに逆戻りです。 ということで、そろそろとブログを再開します。 といっ…