2ペンスの希望

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底荷

若い頃から小関智弘さんの本が好きで欠かさず読んできた。 忘られられない言葉は幾つもあるが、「底荷」はそのひとつだ。小関さんは書いている。
町工場の旋盤工という労働生活を底荷として,ずっと文章を書いてきました」【講談社現代新書「働くことは生きること」2002年12月刊】
「底荷」とは,船の重心を下げ て復元力を増すために船底に積む重量物のことです。
底荷がなければ、船は安定して走行することはできません。
やがてふらふらと揺れて、もしかするとひっくり返ってしまうかもしれません。

読み返すたび 「お前は何を底荷として生きるのか」と問われているようで、背筋が伸びる。いい言葉だ。