2ペンスの希望

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眼福

目を背けたくなるようなのは、現実だけで十分だ。
それがいかにリアルであっても、狭い映画・冷たい映画は見たくない。おぞましいものもパス。ザラリと砂を噛んだような後味はゴメンだ。美しいもの、温かくなるもの、人間捨てたもんじゃないなと幸福な気分になれるようなのが見たい。目の保養。眼福を求む。
アスファルト舗装された固い地面より、踏み込むとふんわり沈む黒土のようにふくよかであたたかいものに出会いたい。
誰でもそう思うと思うのは楽天的に過ぎるのだろうか‥‥。
スリラーやサスペンスは好物なのに、ホラー、スプラッター、オカルト系が苦手なのは昔から変わらない。底(そこ)にある作り手の人となり、眼差し(人間観、世界観、美意識)が心に沁みてこないからだ。こんな風にすれば目を惹くだろう、そこそこでよかろう、という計算が透けて見えてくるともう駄目だ。そこからは新しいものは何も生まれてこない。
刺激のレベルが低すぎる。