2ペンスの希望

映画言論活動中です

2021-06-01から1ヶ月間の記事一覧

『本屋と図書館の間にあるもの』を触媒に ①地元の版元

最寄りの公立図書館で見つけたので借り出して読んでいる。 伊藤清彦×内野安彦『本屋と図書館の間にあるもの』【2021.17. 郵研社 刊】 ともに地方で書店経営や図書館運営にかかわってきた二人の対談から生まれたこの本、話題は雑多だが、本屋と図書館の現状が…

映画の看板かき

YouTubeでこんなページを見つけた。 日本全国津々浦々で無名無数の看板絵描きが妍を競った時代が確かにあった。 www.youtube.com

背反有理 2021 東海林 特別編

東海林さだおは、背反有理の宝庫である。ということで、今日は東海林さだおさんをフューチャーしての特別編。 テキストは、『ざんねんな食べ物事典』【2019年5月10日 文藝春秋 刊】月刊誌「オール讀物」連載「男の分別学」などに増補。 一部に???も混じる…

背反有理 2021 水無月 その二

‥‥昨日の続き、「背反有理」反語に宿る真理。 まさかさかさま(⇔) 変わらず、変わる (樺山聡『京都・六曜社三代記 喫茶の一族』「新たな芽/修」の小見出しのフレーズ) 男だって虹みたいに裂けたいのさ 所有しないことで全部を所有しようとする おれは世界の…

背反有理 2021 水無月 その一

四ケ月ほど空いたが、「背反有理」コレクション 最近の仕入れ品。(一部 オリジナル) うしろへすすめ‥‥ (つげ義春の貸本漫画『白面夜叉』【1955.09. 若木書房】) どうにでもなる言葉 どうにもならない言葉 騒がしい静寂 (上島春彦の『鈴木清順論 影なき声 …

四十番館 映画巡回員

岡田秀則さんが或るフリーペーパーで書いていた。映画はその昔、一本のフィルムを封切りロードショーから順に使いまわしして上映してきた。そのことを書いた部分。「都会の封切館で上映された後は、二番館、三番館へ流れ、最後は、ときに四十番館を超えるこ…

三と三

昨日の正津本『つげ義春 「ガロ」の時代』には、三つの言葉が何度も出て来る。 「舞台設定」と「人物造型」と「物語構成」 (もうひとつ。「起承転結の座り整いではなく、序破急の走り乱れのほうへ」も繰り返されるが、これはヨコに置いて) 加えて、先日バ…

脱力渡世 正津本『つげ義春』

つげと正津、大好物が二つも並んだら見逃すわけにはいかない。思わず手がのび一気に読んだ。正津勉『つげ義春 「ガロ」時代』【2020年11月25日 作品社 刊】 結構な お手前。 評論家・研究者・学者センセイとは雲泥のコク(酷) と ウマミ(旨味)。実作者・表現…

大島渚『青春』

数日前、青春→朱夏→白秋→玄冬という季節は輪廻する、と書いた時、そう言えば大昔大島渚が『青春』という本を出していたなと思い出した。本棚をひっくり返して掘り出した。大光社語り下ろしシリーズの一冊 1970年10月30日発行 ¥760. 中味は全く忘れていた。…

古川洽次『俳句と電報と』

今日は備忘録。永らく企業人として生きてきた古川洽次の本『俳句と電報と Haiku and Telegrams - and More』【2021年2月22日 かまくら春秋社 刊】を読み始めてる。 巻頭「発刊に寄せて」に 夏井いつき「電報文学を深める」が載っている。 「俳句も電報もどち…

過渡期 論

映画は今 奈辺 にあるのだろうか。 黎明期、草創期、勃興期を経て、成長・発展し全盛期を迎え成熟期に達し、ゆるやかな後退局面、衰退期を生き延びている‥ロートルにはそんな風に見えて仕方がない。かつて二十世紀のど真ん中「必修科目」から、端っこの「選…

考える快楽 想像する愉悦

ビッグデータとディープラーニングを活用したAI技術で、レコメンドエンジンが手取り足取り貴方の「お好み」「オススメ」を教えてくれる時代になった。上げ膳据え膳、至れり尽くせり、おんぶにだっこ、‥‥‥、 世話焼きに抜かりなし、ってか。 技術の進化が、…

嫌いじゃない けど

テレビは嫌いじゃない。好きな方だ。とはいえ連続ドラマのたぐいは永らくご無沙汰だ。ところが最近、ひょんなきっかけで毎週の放送を楽しみに待つ番組が出来た。つい先日最終回を迎えるまで、いそいそと観た。売れっ子シナリオライターの新作。悪くない、い…

「ゴダール式読書術」

嶋浩一郎さんの新書『なぜ本屋に行くとアイデアが生まれるのか』【2013年6月 祥伝社 刊】を読んだ。おっしゃることはよく分かる。 「想定外」の「無駄」な情報に出会うために 是非とも 毎日一回本屋に行こう。 基本 大賛成だ。 けど、勇み足が気になった。「…

宇吉郎とカーク

今日も中谷宇吉郎の随筆から。「科学映画の一考察」という一篇。勝手につまみ食いして要旨を書いてみる。 「文化映画の中で特に自然科学を直接対象としたものを科学映画と呼ぶことにする。この科学映画は大別して大体二種類に分けられる。一つは「博物もの」…

「不思議を感ずる」

岩波映画製作所が、中谷宇吉郎の「中谷研究室」から生まれたことは、ぼんやりと知っていた。ただ、師匠の寺田寅彦の本は幾つも読んできたが、この歳になるまで中谷宇吉郎の本は読んでこなかった。迂闊。不覚。 岩波文庫『中谷宇吉郎随筆集』【1988.9.16.第1…

身体性:世界に「ふれる」

吉村萬壱さんの『生きていくうえで、かけがえのないこと』【2016年9月 亜紀書房 刊】から、今日はその②「ふれる」二箇所。 「じっと何かに見入る時、人は自分の目の存在を意識しない。何かを聞く時は、自分に耳があることを忘れている。手も同じだと思う。世…

「打つ」より「書く」

吉村萬壱さんの初エッセイ集『生きていくうえで、かけがえのないこと』を読んだ。【2016年9月 亜紀書房 刊】 (ご本人による「あとがき」には)二十五個の動詞をめぐる「一人の売れない小説家の呟きのようなもの」と あった。 「書く」から引いてみる。 「私…

「枠組み」を疑え

やっぱりシナリオが映画の命の第一だ。 ネットを開くとシナリオの書き方なんてのが無数に出て来る。ひな形・テンプレ―ト・フォーマット・プロット・・・・これらを使ってデータベースからの材料を適当に加え、組み合わせて指示通りに並べていくと、それらしい…

Nawapol Thamrongrattanarit

ナワポン・タムロンラタナリット Nawapol Thamrongrattanarit はタイの映画監督。 2015 Freelance (Heart Attack) www.youtube.com ブラックコメディ青春映画。数年まえにOAFF(大阪アジアン映画祭)で観た。無駄なく快調な語り口に感心した。 その後もコ…

Rithy Panh

リティ・パン Rithy Panh はカンボジアの映画監督。 2003 S-21, la machine de mort Khmère rouge www.youtube.com 元看守と囚人。加害者?と 被害者?の 身体の記憶映画。 2013 L'image manquante 消えた画 www.youtube.com 実写フィルムと虐殺された人々を…

Lav Dias

ラヴ・ディアスLav Diasはフィリピンの映画監督。時にすさまじい長尺映画を撮るらしく「怪物的映画作家」という異名を持つ。(去年観たハンガリーのタル・ベーラの『サタン・タンゴ』は7時間18分だったが、彼の『Ebolusyon ng Isang Pamilyang Pilipino(タガ…

Garin Nugroho

ガリン・ヌグロホ:Garin Nugroho はインドネシアの映画監督。ジャカルタ芸大を出て記録映画を撮りながら、弁護士資格を得て開業した経歴を持つ。ただ判事に賄賂を要求される腐敗に嫌気をさし、映画一本の道にすすんだのだそうだ。 2018 Memories of My Body…

Mohsen Makhmalbaf

モフセン・マフマルバフ:Mohsen Makhmalbaf はイランの監督。政治的・社会的な問題を描くものと、詩的な映画、哲学的な映画、二つの系統の映画をつくってきた。 2005 Kandahar www.youtube.com 2012 The Gardener www.youtube.com ご本人と息子メイサンが互…

Ben Russell

民族誌映画とか映像人類学と呼ばれる映画がある。日本にも幾つかの流れがある。世界ではフランスのジャン・ルーシュが有名だ。ベン・ラッセル Ben Russell は1976年アメリカ西海岸生まれの映像作家。「言語に出来ない何か」「本質的には目に見えないもの」を…

Tony Gatlif

トニー・ガトリフ : Tony Gatlifは、アルジェリア出身の監督だ。中東欧に暮らすロマ民族の映画を作ってきた。 1993「ラッチョ・ドローム Latcho drom」ロマ語で「良い旅を」という意味だ。 www.youtube.com もう一本 2009 「コルコロ Korkoro」=ロマ語で「Al…

Ukamau:ウカマウ集団

南米ボリビアにウカマウ集団(スペイン語:Fundación Grupo Ukamau)という映画制作チームがある。リーダーはホルヘ・サンヒネスJorge Sanjinés Aramayo. 自身は白人層の出身だが1960年代から半世紀以上にわたり先住民族たちの映画を作ってきた。 完成12本、未…

Jan Švankmajer

チェコスロヴァキアからもう一人、ヤン・シュヴァンクマイエル:Jan Švankmajer。 チェコ・シュルレアリスム・グループの一員として、絵画・映像・アニメーションなどを手掛けてきた。 1988「Alice」 www.youtube.com 1994「FAUST」 Buñuel+Disney= Švankma…

Jaromil Jireš

同じく、チェコスロヴァキアのヤロミロ・イレシュ:Jaromil Jireš チェコ・ニューウェーブ運動をリードした映画監督だ。代表作は1970年の『 Valerie a týden divů(英訳:Velerie and Her Week of Wonders 邦題:闇のバイブル/聖少女の詩)』 ガーリー・シュ…

Věra Chytilová

知り合いからこんな映画もあるよ、と教えられた。 チェコスロヴァキアの映画作家ヴェラ・ヒティロヴァ:Věra Chytilová 1966年に公開された『ひなぎく:Daisies 』は、ガーリー映画として今も知る人ぞ知るカルト映画とのことだ。 www.youtube.com この映画、…