つげと正津、大好物が二つも並んだら見逃すわけにはいかない。思わず手がのび一気に読んだ。正津勉『つげ義春 「ガロ」時代』【2020年11月25日 作品社 刊】
結構な お手前。
評論家・研究者・学者センセイとは雲泥のコク(酷) と ウマミ(旨味)。実作者・表現者ならでは(正津さんは詩人だ)の間合い。
五十年以上に亘り、伴走してきた者だけの空気感・距離感が漲って目が離せない。
おそらく、つげは漫画の古典として次々に若い読者を得て永遠に生き続けるに違いない。(正津詩はどうだか?)ただ、遅れてやってくる読者が逆立ちしてもかなわない(叶わない・敵わない)同時代同伴者ゆえの特権があることも事実。これだけはいかんともしがたい。その僥倖に感謝。(かくいう当管理人も、正津氏にちょっとおくれながらかろうじて京都で同じ時空を共有してきたひとり。エッヘン。ささやかな自慢・自負。)
詳しくは、現物に当たってもらうほかない。超おすすめ本。ただし、結構だが結構文体に癖ありの上級者向け本。取扱注意。年季が入るよ。
ここでは、一つだけ。
「つげは、万端用意周到人種(‥そのこまめさメモ魔カメラ魔シリョウ魔‥)。」注記:シリョウは資料のみならず思料/思量することを含むゆえのカタカナ表記と理解すべし。(ですよね、正津兄)
脱力渡世の達人は、万端用意周到人種だった。
この企画、そもそもは、neoneoweb. 連載から始まったもの。で、好評なのか続編 「ガロ」以降が始まっている。早速に読み始めた。
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【連載】つげ義春 「無能の人」考① text 正津勉 - neoneo web