2023-01-01から1年間の記事一覧
本だけでなく、川内さんは大学時代の友人・三浦大輔さんと映画も作った。 2022年 / 16:9 / DCP / 107分 映画については未見でもあり これ以上は触れない。 代わりに、ライター川内さんの言葉を少々。 「普段ものを書くときのわたしは、インタビューの録音を…
次の動画を見て、「白シャツグループは何回ボールパスをしたか数えて下さい」 www.youtube.com白鳥本には「この実験では、だいたい半数から三分の二のひとがゴリラには気づかなかったと答える」とあった。「パスの回数を数えることを指示されない場合は、た…
美術館を出てからのやりとり。 Q:それって別々の「色」として識別してるんですか? 白鳥:ううん、概念として残るだけ 〇「色は概念的に理解している」 白鳥:一般的には「色」って視覚の話だと思われるんだけど、白とか茶とか青とか、色に名前があるという…
刺激的な本と出合った。川内有緒『目の見えない白鳥さんとアートを見にいく』【2020.9.8. 集英社インターナショナル 刊】目の見える川内さん(ノンフィクション作家)とその女友達マイティこと佐藤麻衣子さん(水戸美術館教育プログラムコーディネーター)が…
鈴木敏夫の書。他にこんなのも‥ 尊敬していないはずはないのに。たぶん、「崇めたり、上位に置いたりしないよ」ということだろう。いつも対等、横並び。信頼しているし認めてるけど、上下関係は無し。だからこそ、いつも真剣勝負の緊張感。馴れ合いももたれ…
東京神楽坂で「コ本や」というブックショップ兼オープン・スペースを運営するアーティスト青柳菜摘さん(1990年生まれ)のこんな文章を読んだ。 「子どもの頃から、実写の映像はぜんぶ嘘に見えてイヤだった。だから、チャンネルをコロコロまわしてはアニメを手…
少し前だが、大阪芸術大学の映像学科の前学科長大森一樹の『わが心の自叙伝』という本にこんなことが書いてあった。 「大阪芸術大学の映像学科長に就いて二十年近くになるが、ここ最近、映画はあまり見ないけど映画監督になりたいという若い人が少なからずい…
小松宰(こまつおさむ 東北に住む映画評論家)さんの新著『新撰組映画はなぜ作られるのか』【2023年10月30日 彩流社刊】を面白く読んだ。 「あとがき」に「今回もまた、映画サークル「絵夢人倶楽部」の越前貞久氏から多くの資料提供を受けた。」とあった。気…
XX:日本にいちばん足りないのはプロデューサーだとわたしは思っています。 XY:注文する人ですね。 XX:XYさんがうまく表現しておられたように、「種を自分のなかで育てる人」です。プロデューサーって何って誰かに説明するときには、プロデューサーという…
知人に「こんなの知ってるかい」と教えられた。 映画の背景画家・島倉二千六(ふちむ)さん。1940年生まれ。今井正、山本薩夫、亀井文夫などの独立プロ「新星映画社」の美術スタッフを経て東宝で特撮ものなどの背景美術を担当。スタッフは「雲屋さん」と呼び…
備忘録。 映画作家・大林宣彦が映画監督・小津安二郎について書いた文章。 「小津映画を名作たらしめたものは、つまりは技術である。」 「小津さんの初期の映画の中に、会社で働くサラリーマンの姿を蜿蜒と横に移動していくショットがあり、ちょうどキャメラ…
ネットに、こんな記事があった。 「映画館で見ない理由と 自分が映画館でわざわざ見る理由と同じだった」という青年の主張。 ⇓ 「何もできない」のがいい。 似たようなのが あちこちに。集中力、拘束力、伝導率・高カロリー、拘禁状態がカ・イ・カ・ン。‥あ…
中野翠『小津ごのみ』シリーズ、昨日で終わりのつもりだったが、余計な付け足し。 完璧なスタイリッシュを貫いた小津安二郎だが、この中野本には気になる記述が二つほどあった。 ◉俳優 飯田蝶子:1947『長屋紳士録』撮影中に飯田蝶子が軽い気持ちで言った一…
言うまでもない、1953年『東京物語』の極めつけ台詞。小津ファンにはつとに有名。 ネットには、深読みの考察が幾つも並ぶ。 あまた出版されてきた小津本にも様々な解釈が‥ぞろぞろ。 なかで高橋治『絢爛たる影絵』をはじめとする「性的深読み」について、中…
女の人で小津映画がしんそこ好きという人は少ない。そもそも見ている人自体少ない。 ⇓ 「小津調映画」には、「結婚」「家庭」はあっても「恋愛」はない。つまりはメロ度の乏しい映画である。女の人たちに人気がない理由の第一はそこにあるんじゃないか。 ⇓ …
「形式(かたち)であり、内容(なかみ)でもあるようなもの」小津監督にとっての「表現」とはそのようなもの、だったと思う。中野翠さんはこう書いている。 中野翠が描いた「本文カット」から勝手に引用 「悪趣味なものは出てこない。だから生々しい迫力には欠…
「女たちのきものと帯の柄は徹底的と言っていいくらいグラフィックデザイン的だ。絵画的ではなくデザイン的。作り手の個性などまったくない。無名の人々が歴史の中で作りあげて来た幾何学的な柄だ。たとえ花鳥風月が題材になっても、絵画的なタッチではなく…
生誕120年 歿後60年とあって今年も小津関連本が次々刊行されている。研究者・信者が世界中に生まれていることは当ブログでも何度か触れてきた。小津映画に込められた深淵(深遠)なる思想を微細・精緻に分析・解析した(と称した)「研究」が陸続と発表され…
ご近所の古本屋さん=口笛文庫の店先には いつも 税込み100円の格安本が並んでいる。いわゆるゾッキ本。ひと山いくらの処分品のたぐい。 先日 こんな一冊を発見。税込み百円。即買い。 中野翠 著『小津ごのみ』【2008年2月 筑摩書房 刊】 PR誌「ちくま」連載…
久しぶりに地元で公開初日の映画を見てきた。船橋淳監督作『過去負う者』 チラシを三つ挙げる。多分 古いものから順 予告編は五つ。 www.youtube.com www.youtube.com www.youtube.com www.youtube.com www.youtube.com残念ながら、どの予告編も物足りない。…
不勉強丸出しだが、2023年4月に「映適マーク」がスタートしていた。 知らなかった。 どの程度の実効性と意味・意義があるのかは分からない。ポンコツのロートルには正直 はなはだ 疑問だ。イマドキ「カチンコ」だなんて‥センスも疑う。「メガホンをとる」同…
備忘録。 高崎卓馬という電通のコピーライターさんがFMラジオで小津映画について語っているのを「読んだ」。(ラジオを聞いたのではなく、ネット記事で見つけて「読んだ」だけ) 小津映画の手ほどき 初級編(として勝手に転載) 「リズム」がある 小津作品っ…
当たり前の話だが、同じ映画でも公開される時期時代によって宣材ポスターも変わる。 1963年製作 1964年日本公開の映画『軽蔑』の公開時ポスター。 主演女優さんとそのハダカ 押し。監督さんは二の次。 2023年秋 デジタルリマスター版での再上映。(敢えてリ…
先回の「暴言です」の素 くだんの映画『福田村事件』を観てきた。週末の神戸 朝9:40からの上映。公開から8週目に入っての朝一の回、102席のキャパ に25席以上が埋まっていた。興行的には健闘 好成績の部類だと思う。出演者の一人水道橋博士の「ツイッター…
今回は暴言。観もしない映画についての懸念を書く。ゴメンナサイ。 映画は、森達也監督の『福田村事件』杞憂は、二つ。「いかにもの図式・構図・構造におもねてシナリオの彫琢が中途失速していないか」と「コチラ側の意識高い系の人たちに届けば御の字という…
よんどころない事情もあって「映画館」にはトンとご無沙汰してもっぱら漫画本ばかり読んでいる。といっても流行りで人気の新作なんかじゃない。中心は昭和から平成にかけての旧作セレクト集。漫画は若い頃からそれなりに目配りして読んできたつもりだが、ま…
深尾道典さんが2023年9月22日に亡くなった。知らなかった。87歳だったから人生的には大往生の部類だろうが、映画人生的にはどうだったのだろう。 初監督映画『女医の愛欲日記』(1973年 東映京都)は封切りで観た。白石奈緒美が主演した変な映画だった。 ま…
先回の続き。建築・建造物としての映画。 日本の映画が「木造建築」だとするなら、ヨーロッパの映画は「石造り」、ハリウッド含めアメリカ映画は、さしずめ「鉄とガラス・コンクリート製」ということになろうか。 映画好きの同好の士とそんな話で盛り上がっ…
映画は建築・建造物に似ている。 監督≒棟梁を軸に、構造部門の職人衆(脚本部や撮影部 録音部)と造作担当の職人衆(美術セット、装飾小道具衣装持ち道具、照明部、特機‥等々)さらに給排水・電気ガス・空調設備、外構・庭木・植栽まで幅広い専門パートがよ…
漢字好きの友人からこんな話を聞いた。 「頽廃(頽癈)」と「退廃」はもともと少し意味が違う言葉だったのだが「頽」の文字が当用漢字に入らなかったため、代用流用され区別がつかなくなったんだ。 彼曰く 「頽廃」とは〝くずれる〟ことであり、「退廃」とは〝…