映画は建築・建造物に似ている。
監督≒棟梁を軸に、構造部門の職人衆(脚本部や撮影部 録音部)と造作担当の職人衆(美術セット、装飾小道具衣装持ち道具、照明部、特機‥等々)さらに給排水・電気ガス・空調設備、外構・庭木・植栽まで幅広い専門パートがよってこって作り上げる。費用も時間も手間暇も掛かる。もとより建築といっても七堂伽藍や城郭から個人住宅まで大量無数に拡がっている。
ここまでは以前にも何度か書いてきた。今回はちょっと別の話。
その昔、昭和時代に日本映画は世界で高く評価されていた。(ん、今だって海外の映画祭で受賞する日本映画はいっぱいあるじゃない、そうおっしゃる向きもあろうが、そんな 水増し インフレ かさあげ 上げ底 映画なんかのことじゃない。正真正銘の国際水準評価のこと。)
黒澤明は姫路城、
小津は桂離宮
といった趣きだろうか。いずれも日本の建築文化を代表する一級品だが、外国人の関心と感心の偏差・違いが分かって面白い。
ところで、建築業界では、「建造物」とは、大きな構造のものだけをいい、個人の住宅などについてはいわないそうだ。
さすれば昨今の、DIY手作り小規模映画や趣味のログハウス・丸太小屋などは「建造物」には含まれない、ということになるが‥さてはてどうしたもんかいな。