2ペンスの希望

映画言論活動中です

2015-05-01から1ヶ月間の記事一覧

「映画という、やや鬱陶しいもの」

数日前のことだ。長く定期購読しているメール情報で「映画という、やや鬱陶しいもの」という記事を読んだ。筋金入りの映画好き・奈良のUさん(面識は無い)にして「見るしかない。けど、1本平均2時間。これだけ長く見てきて、1万本を越えたか越えてない…

ミヤネ屋

一週間あまり前、友人の新作映画がテレビ番組で紹介された。 『情報ライブ ミヤネ屋』。映画は、認知症の母娘に取材したもの。映画サイドとしては、地元関西での上映を終え、今秋東京公開を控え、その全国プロモーションの一環としてのリリースだ。 番組を見…

追従型書店

高校時代の友人に誘われ、梅田に出来た駅型商業施設の蔦屋書店に出掛けてきた。週末ゆえか黒山の人人人、若い人たちだけかと思ったら、管理人と同世代の団塊親父も結構いた。 ライフスタイル提案型書店というふれこみの大型書店。ビジネス・人文・美容・健康…

「自然体」

時代劇・映画史研究家:春日太一さんの本については何度か書いてきた。 今日は新潮新書『なぜ時代劇は滅びるのか』【新潮新書586 2014年9月 刊】。 研究者春日さんは熱い憤怒の人だった。 時代劇をダメにした“戦犯”を列挙する中、「自然体」しか演じ…

「とんちんかん」と「ないものねだり」

秀子シリーズ(って、管理人が勝手に言ってるだけだが‥)最後は、映画批評論。 《私は五歳の時に子役として映画界に入った。入った、というより、気がついたらそこに居たというほうが当たっている。 映画界はたくさんのことを私に教えてくれたが、その中で「…

秀子のテレビ論

『忍ばずの女』には、高峰秀子のテレビ論もある。 「「高峰秀子はテレビに出ない」。ただそれだけの簡単な理由で、私は「テレビ嫌い」というハンコを押された。一歩外へ出れば「テレビはお嫌いだそうですが?」という質問ぜめに遭った。「好き」なら出演する…

秀子のシナリオ論・観客論

「役者はつべこべ言わずに、ただ黙って演(や)ればいい、という主義」だった高峰秀子には珍しく、『忍ばずの女』では、「シナリオ」や「観客」についても率直に語っている。 ◎シナリオ論 (「シナリオと私」から) 「シナリオは、映画作品の土台になる設計…

クロウトの人格化:『忍ばずの女』

「クロウトの人格化」その達成の一つが、職業=女優:高峰秀子だ。 『忍ばずの女』【中公文庫2012年5月復刻 原本は潮出版社1994年10月 刊】 唯一書いた役者・演技論本。どこをとっても、含蓄に富む。随意に書き写してみる。 「脚本の中の台詞や行動で、大体…

クロウトの人格化

昨日の続き。 森下さんの本、後半は目新しいことなく、想定内。刺激されなかった。ということで、 今日はタカラヅカとAKB48にまつわるキイワード用語集。幾つ分かりますか? 「創って作って売る」垂直統合、主催興行と売り興行、著作権丸ごと押さえ、変…

シロウトの神格化

阪急電鉄OBの森下信雄さんの本『元・宝塚総支配人が語る「タカラヅカ」の経営戦略』を読んでいる。【角川oneテーマ21 2015年1月10日 KADOKAWA刊】 ビジネスモデルとしての「宝塚歌劇」を内側から描いた本だ。 キイワードは「シロウトの神格…

何をいまさら

はっきりいってTVは好きじゃない。 さんざん仕事をしてきて何をいまさら!勝手な言い草を‥と叱られそうだが仕方ない。 大昔、どなたかが(いとうせいこうさんだったと思うのだが、うろ覚えなのでいい加減)「TVは、情報の終末処理装置。 何も生み出さない…

使わない言葉

自分では絶対に使わないだろうというコトバがある。例えば、“言説”。 このコトバを使われると途端に点数が辛くなる。映画のことをコンテンツとかソフトという連中も同様だ。信用できない。狭量な偏見だとは承知している(つもり)。それでもイヤなものはイヤ…

併映の一本

またぞろ懲りずにいそいそと三本立映画館に出掛けてきた。 お目当ては若手の中国映画。悪くはなかったが、東京の名だたる監督さんがこぞって誉めたてる程のことではなかった。 めっけものだったのは併映のハリウッド映画。 併映でなければ多分手を出さなかっ…

一本のクギ

「幻の映画デビュー作『母』DVD付き」という謳い文句に惹かれて『高峰秀子解体新書』【PHP研究所2015年2月5日 刊】を読んだ。DVD映画は大したものではなかった。 6歳の高峰秀子は愛らしかったが‥。 ただ、高峰の語り部(伝道師というべきか)斎藤…

明快と曖昧

分かりやすいものが幅を利かせている。 間違いなく『泣ける』誰でも『笑える』―そんな映画ばかりがもてはやされる。 求められているかどうかははなはだ疑問だが、作る側・売る側はストライクゾーンは其処だとばかりに攻めてくる。つべこべは言わせない。有無…

難儀と歓喜

タイトルや解説だけで、何となく敬遠してきた映画がある。 そんな映画の何本かに出くわしておったまげる日々が続いている。嬉しいことだ。 映画は自分のこの目で確かめてみなければ分からない。改めてそう思う。何を今更‥映画に溺れてウン十年というアンタの…

全部娯楽品

いまだに映画は娯楽か芸術かなんて論議が続いているのをみるとゾッとする。 芸術は高級で娯楽は低級、そんな認識も根深い。 「私は良心的な芸術映画しか観ない」「娯楽映画はパス」それが「趣味の良い」「教養人」のあるべき姿だなんて‥‥旧態依然、笑止千万。…

アンビグラム

Punya Mishra Good / Evil 2002 Fact / Fiction 1999 逆さでも読めたり、視点を変えると別の見方が可能になる文字デザインのことを アンビグラムという。 世界中に作家がいる。 プーニャ・ミシュラは米ミシガン州立大学教授。彼のウェブサイトには、「教育、…

錯視3

Mole & Thomas 「自由の鐘」 1918 「第一次世界大戦中、米ニュージャージー州キャンプ・ディックスの兵士・将校2万5000人を使った集合写真」(図鑑2−129頁) どうやって撮ったのだろう。 どこか不気味。

錯視2

Erik Johansson 「上側の下側」 2009

錯視1

近所の公立図書館から借りた『錯視芸術図鑑2』【2015年3月20日創元社 刊】を読んでいる。 Martin Isaac 「曖昧な立方体」 2009 「角がひとつ削られている大きな立方体、または部屋の片隅に置かれた小さな立方体。どちらの見方もできるが、両方を同時に認識…

雪岱をもう一枚

雪岱をもう一枚 載せる。 1924年(大正13年)『青柳』 「小村雪岱さんの絵―それにつながっての仕事のどれでも、寔(まこと)に精緻にして情の醇なること、恐ら く当代に求めて得られないものを具えていた。情と言っても、啻(ただ)に人間の情のみではない。し…

國義と雪岱

新聞を読まなくとも何の痛痒も感じなくなって久しい。けど、ひとつだけマイナスがある。訃報に疎くなる。 知らなかった。3月中旬に画家・金子國義さんが亡くなっていた。金子さんクラスだと新聞記事には採り上げられるが、ラジオもテレビも伝えない。ネット…

ロート製薬CM

現役監督作品のも紹介して、というリクエストにお応えして‥。 2014年 西川美和 ロート製薬 肌研 極潤 CM 撮影 市橋織江 監督・脚本 西川美和 120秒バージョン ウエブ限定版?或は前田敦子ファン限定版? テレビ放映用の15秒は、舌足らずで「杜撰」。 4…

サントリーCF

永く根強いファンを持つCF。 1983年3月放映開始 市川崑 サントリーレッド大原麗子 電話編 30秒 「すこし愛して、なが〜く愛して。」 大原麗子の声は今も耳の底に残る。 コピー:藤井達朗(博報堂) 音楽:服部克久 一昨日引いたモルモット吉田さんのブログ…

サンスターCM

映画を作る前の北野武もCMを作っている。 1985年 サンスター デミュートサンスターCM「どっちを選ぶでしょう」30秒 頭を叩かれているのはたけし軍団のラッシャー板前 黒子は いでらっきょ。 電通出身で広告ジャーナリストの岡田芳郎は「北野武(ビー…

ライオン歯磨CF

市川崑監督はCFの仕事も沢山してきた。 1966年 ライオン歯磨 ホワイトライオンCF 60秒 画面右下の「YouTube」ボタンを押してご覧下さいナ。↑ シナリオ:和田夏十、谷川俊太郎、市川崑 撮影:長野重一 音楽:湯浅譲二 出演:加賀まりこ 「アパート…