はっきりいってＴＶは好きじゃない。
さんざん仕事をしてきて何をいまさら！勝手な言い草を‥と叱られそうだが仕方ない。
大昔、どなたかが(いとうせいこうさんだったと思うのだが、うろ覚えなのでいい加減）「ＴＶは、情報の終末処理装置。 何も生み出さない｣と言っていたことを思い出す。
どこやらから見つけてきた情報（誰かが持ってきた情報？)を、誰にでもわかるよう咀嚼・単純化し、すべてを字幕スーパーで補いながら、短時間に何度も繰り返す親切設計。
悪いとは言わないが、ゾッとしない。
ネットを叩けば瞬時に様々な情報にアクセス出来る時代。オンエアされた番組が、間をおかずYouTubeにアップされる時代。ＴＶしかなかった時代の圧倒的な媒体力、伝達浸透力はもはや失われた。その危機感・自信喪失が、過剰な親切仕様に繋がるのだろうが‥‥、そして今の時代のＴＶ制作者たちが、それなりに心を砕き創意と工夫を重ねながら番組制作に向き合っていることは分からぬでもないのだが‥‥どこか不健康。
視聴者のレベルをあまりにも低く設定しているようなのも辛い。
いまだに視聴率(リアルタイム視聴率）がバロメーターに使われ、最近やっと録画再生率(タイムシフト視聴率）が正式カウントされるようになったというのも何だかなぁ。今時リビングに集まって皆が一緒にオンエアーを見る家庭がどれだけあるのだろう。
何たる時代錯誤。 もっとも映画だってＴＶを嗤えない。 気息奄々が延々続いている。
