2ペンスの希望

映画言論活動中です

シロウトの神格化

阪急電鉄OBの森下信雄さんの本『元・宝塚総支配人が語る「タカラヅカ」の経営戦略』を読んでいる。【角川oneテーマ21 2015年1月10日 KADOKAWA刊】
ビジネスモデルとしての「宝塚歌劇」を内側から描いた本だ。
キイワードは「シロウトの神格化」ビジネス。森下さんは、AKB48との類縁性を語る。
そこでは上手下手が問題なのではない。まだまだ“未熟”“未完成”応援しなくっちゃと思わせることがポイント」「ともに“学芸会的な捉えられ方”からスタートしている。ファンコミュニティは“私が支えなければ‥”という一種宗教的な一体感を醸成。」 (文意を汲み管理人が要約)さらに、これからのエンターテイメント・ビジネスのポイントとして
多様なコミュニケーションを売る」ことを挙げ、網野善彦を引用する。その頁を引く。
中世史の研究者・網野善彦氏は、芸能や宗教といった人の魂を深く揺るがすような文化は、「無縁の場」に生まれ、「無縁の人々」によって担われてきたと語っています。
宝塚歌劇やAKB48を支える人たち(ファン・コミュニティ)は、OLであろうが、主婦であろうが、学者であろうが、ニートであろうが、宝塚歌劇・AKB48に関わっている瞬間は血縁・地縁・社縁・肩書きと言った様々なしがらみから解放される「無縁の瞬間」に生きていると感じられること‥‥それが大きな魅力なのです。 
(中略)
いわば、現代人の抱える様々なストレスからの解放区(ただの逃げ場ではない)として宝塚歌劇やAKB48はますますその存在感を高めていくと私は考えます。
続けて森下さんは
①必然性と偶然性
②閉鎖系と開放系
③近接性と結界
④物理的アクセスと心理的アクセス
⑤卒業とホーム・カミング
という五つの視点にフォーカスしながら詳細な分析を試みるのだが‥ただいま読書中‥よって続きは次回。
何となく想像も付くが、何か触発されたら書く。