2ペンスの希望

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ミヤネ屋

一週間あまり前、友人の新作映画がテレビ番組で紹介された。
『情報ライブ ミヤネ屋』。映画は、認知症の母娘に取材したもの。映画サイドとしては、地元関西での上映を終え、今秋東京公開を控え、その全国プロモーションの一環としてのリリースだ。 番組を見た。 テレビと映画のメディアのちがいを見せ付けられた。
映画は77分、テレビは5分弱。77分かけて語りつくす映画が、テレビではわずか数分に短縮され紹介される。会話はもちろんあらゆるものに字幕スーパーが施され、分かりやすく単純化されてキャッチコピー化される。印象的な場面はCMタイムを跨ぎながら何度も繰り返される。懇切丁寧な親切設計の5分。悪くはなかった。けど、なんだかなぁと思ってしまった。
テレビはダイジェスト、皮相で舌足らず、映画こそが本物、そう言いたいわけではない。
番組の取材ディレクターがそれなりに勉強して(題材である認知症についても、映画のトーン&マナーについても)作っていることが伝わる。熱意と好意も分かる。それでも、う〜んと考えてしまった。
片やテレビ、片や映画。片や5分、片や77分。自ずと料理の仕方も提供の仕方も異なる。当然だ。 地上波の5分がどれほどの価値を持つものか、知らないわけでもない。
けど、劇場への集客効果・直接動員だけを考えると、9月の東京公開に5月のテレビ告知では離れすぎ。いかにももったいない。友人に 「折角だから、ミヤネ屋と交渉して、すっくりまるごと東京公開時の予告編に使わせてもらったら‥‥」と進言したら、一笑に付されてしまった。