2ペンスの希望

映画言論活動中です

アイマイ

西川美和編著「名作はいつもアイマイ 溺れる読書案内」を読んでいる。【講談社2008年6月刊】芥川から色川、向田まで十篇が採り上げられている。名作はいつもアイマイ。確かにその通りだ。ふくよかでしなやか、柔らかにして鋭利、弾性と剛性を倶に持つ。
文学にしろ映画にしろ、時代の波に洗われてなお読み継がれる名作には、明快でゆるぎない強さが宿る。誰が読もうと正確に伝わる。間違いなく受け止められる。これもまた事実だ。さすれば、西川さんの言葉はいささか舌足らず、そう感じた。
名作はいつもアイマイにして、紛れもなく明晰」 とまで言って欲しかった。