2ペンスの希望

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spontaneity 2

1895年リュミエール兄弟の『Barque sortant du port(Boat Leaving the Port)』

ダイ・ヴォーン(Dai Vaughan)1981年「光(リュミエール)あれ(Let There Be Lumière )―リュミエール映画と自生性」(副題は、長谷センセ?)
‥‥突堤を過ぎた小舟は波によって回転させられ横向きになってしまう。男たちは困難に陥る。女性のうちの一人が、子供からそちらの方へ注意を移動する。そこで映画は終わる。しかしこの映画を見るたびに私は、このメディアの潜在的可能性の感覚に圧倒されてしまうのだ。それはあたかもたった今生まれたばかりにすぎず、いまだのその可能性が探求されるのを待ち続けているかのように見える。
ダイ・ヴォーンは、それを「自生性の捕獲」という言葉で語っている。
「自生性」は映画製作者には予想できなかったもの、そしてコントロールできなかったものとして到来するのだ。