2ペンスの希望

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幽霊

映画で私たちが見ているものは、ことごとく「幽霊」なのではないか、そんな思いに駆られる。
ドラマであれドキュメンタリーであれ、撮られた映画は、撮られたその時点から「過去」になっていく。例外は無い。映画を目にする時、画面の中の人物は、もはやそこにはいない。役者やスタッフが亡くなっていることも多い。拙管理人の体験に限っても、数年前に作ったドキュメンタリーで描いたことが今は存在せず、関係者も行方知れず、という事態に何度も遭遇してきた。それでもスクリーンの上では厳然と現前が進む。いつまでも‥。
なんだ、そんなこと当たり前じゃないか、何を言いたいの、という声も聞こえてきそうだ。
映画はすべて「幽霊」‥その意味は、思い以上に重いのではないか。う〜ん、妄想が頭から離れない。暑さのせいか。