2ペンスの希望

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B級

何時頃からなのか、誰が推奨し始めたのかは知らないが、B級カルト映画が持てはやされている。I井T男さんやS木N文さんといった監督が若い人たちを中心に再評価されて人気だそうだ。レトロスペクティブや特集上映には少なからぬ観客が集まるらしい。
観もしないで言ってるわけじゃない。往時は沢山楽しませてもらったし、先日は回顧上映にも出掛けてみた。確かに盛況だった。カップルや若い衆が目立った。しかし、映画は楽しめなかった。こういっては申し訳ないが、B級はB級、過剰に持ち上げる程のことはないと思った。もちろん人様々だからどんな評価があったって構わない。しかし、行き過ぎた〈発掘〉主義と「昔は凄かった」「こんなことも知らないのか」という恫喝と軽蔑はいただけない。どう贔屓目に見たって「こんな映画もあるよ」という以上ではなかった。「この映画が凄い」「それを知ってる自分は偉い」なんて評価の〈倒錯〉は願い下げだ。
若い衆は、人の評価を鵜呑みにするのではなく、自分の眼と時間で出来る限り多くの現物に当たってみて欲しい。
知らない監督さんや、埋もれた映画はゴマンとあるのだから。