2ペンスの希望

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しんがり

みんな先にいくことばかり考えている。
リーダー、前衛、フロント、先頭を走る方が目立つしカッコいい。新しいというただそれだけで価値がある、と持てはやされてもきた。けど、どうだろうか、ここらあたりでひとつ、リーダーに替わって、一番後ろから付いていくフォロワーに注目してみてはどうだろう。日本語で言えば、殿(しんがり)。しんがり青二才ではつとまらない。ベテランの出番だ。先頭を走りたがるエエカッコシーではなく、列から遅れた人、疲れて付いてこれなくなった人たちの傍に寄り添って、最後尾から付いていく。時代や社会にとって、そんなフォロワーの役割が重要になっているんじゃないだろうかと柄にもなく考えた。
後からついていくと、置き去りにしてきたものや忘れ物にも気付く。
映画もまた然り。劇場公開の新作主義は改めて、旧作上映が増えて欲しいものだ。
それも有名監督や主演女優の特集に限らず、脇役特集とかカメラマン特集とか、もっともっと多様多彩な切り口が考えられないものだろうか‥。右に倣えでシネコンのデジタル化を追随するのではなく、旧作の35mmフィルム上映のみのミニシアター映画館が全国に散在するというのは、真夏の夜の夢物語だろうか。