2ペンスの希望

映画言論活動中です

五意達者

五意達者。
江戸時代初期の大工技術書『匠明』(しょうめい)に書かれた大工さんの心得だ。
五意とは、式尺の墨曲(すみかね)、参合、手仕事、絵用、彫物、
大工たるものそのすべてに熟達すべく臨めと説く。
式尺の墨曲: 寸法の比例を認知し曲尺を駆使して複雑な納まりを図解できること
参合:     工費や材料の積算ができること
手仕事:    頭だけでなく手も自在に使えること
絵用:     建築彫物の下絵が描けること
彫物:     自ら彫刻もできること
あたまだけでもダメ、手だけでもダメ、算盤も弾けなければダメ、オールマイティを目指せ、との教えか。算盤抜きでは半人前だが、「寸法の比例を認知し、複雑な納まりを図解できること」があってこその「参合」、順序が逆ではお話にならない。
んっ?今日は映画の話じゃないのかって。いやいや「寸法の比例を認知し、複雑な納まりを図解すること」って、まんま「映画の脚本」の要諦そのものだ。 脚本=設計図面。