2ペンスの希望

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新鮮と熟成

長らく映画を見ていると、あぁ作り手はこの画を見せたかったんだな、というワンカットが印象に残り、後々まで忘れられないということがある。
映画の出来不出来、好き嫌いは別としてそんな画に出会うと嬉しくなる。ホッとしたりハッとする。フレームを切った気持ちのよい画、表情や台詞やアクションでみせる画、‥中身は様々だ。そんなカットに、最近トンとお目にかからなくなった。見たしりから忘れてしまうようなのが殆どだ。結局何を見せたかったの、首を傾げたくなるようなのばっかりでがっかり。
といいながら、反対のことを書く。
渾身の一打・極めつけのワンショットがあっても、それだけで映画が出来る訳ではない。脚本も構成も編集もお粗末では持たない、もったいない。付き合いかねる。
目を洗われる新鮮と練られた熟成、両方持つのが上物、それこそが先様に差し上げるに足る上等品だ。