2ペンスの希望

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大間違い

大きな物語」が成立しづらくなってからなのか、状況設定とキャラ設定があるだけ、  日常が淡々とすすむだけでストーリーもドラマも何も起こらない、そんなタイプの映画がやたらに増えた。
しかし、間違ってはいけない。そんな映画こそ作り手の方は考えて考えて考え抜いて作らなければいけない。結論は観客次第、ご想像におまかせします、というのでは責任逃れでしかない。 あまりにも無責任。付き合わされる方はたまったもんじゃない。
無造作にごろんと投げ出したように見えるものにほど、見えない造作・匠の技が施されていて欲しい。強くそう願う。
フロックで素敵なワンカットが撮れただけでは、映画は出来ない。(せいぜいチラシかポスターが一枚作れるだけだ。)役者たちの他愛ないおしゃべりをライブ感だ、即興演出だと嘯かれてもどうしようもない。貧相な小道具・小技・小ネタをさも意味ありげにフレームアップしたくらいでは何も始まらない。
まねはいけないとはさらさら思わない。(映画の歴史は、まね・パクリ・いただきの連続だ。)けど、まねするなら本歌(本家)を超えなければ恥ずかしい。政治状況や時代背景も何もかも全部ふまえながら‥丸ごと超えなければ大間違い。そうでなくっちゃ大違い、大勘違い。目も当てられない。