2ペンスの希望

映画言論活動中です

待ったなし?

世の中、決断を迫る風潮が強くなっている。映画界だけじゃない。全体が淀んでいる。考えていても何も始まらない、生き延びられない。だったら、下手に考えるより手っ取り早く決断する方がよろしかろう、という思い、分からぬでもない。
止まったら倒れる自転車操業の青息吐息。どこか息苦しく、とても生き辛い。 確かに。下手の考え休むに似たりというのもある。下手がいくら考えたって妙案は浮かばない。けど、考えなければ、下手はいつまで経っても下手のままだ。それに、休むことは悪いことではない。休むときは休む方が健康だ。なのに、月月火水木金金。戸惑いも自省も許されない。問答無用!と結論が急がされる。サイクルがどんどん早くなって、倍速、三倍速、スピードが求められる。結果、粗製乱造。下手な鉄砲数撃ちゃ当たるってってか。貧すりゃ鈍する 窮すれば濫(らん)す、だ。焦ったって仕方ない。
待ったなし、後がない、と煽られたって、上手くなるには、時間も手間もお金も掛かる。昼寝も必要。寝る子は育つっていうじゃない。寝る子は練る子。練りも捻りもない下手に付き合うのはほどほどにしたい。ほとほと厭きた。