2ペンスの希望

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盛らない2

人間は、飾ったり、盛ったり、カッコつけたりする。意識的にも‥無意識的にも‥。
エエとこだけを切り取ろうとする。それで済めばいいが、なかなかそうはいかない。
美しい話・感動する話の嘘くささが見えはじめるとつらくなる。とたんに詰まらなくなる。 もの足りなくなる。
どこで目にしたのかは忘れたが、ジョン・カサベティスがこんなことを言っている。
はっき り言葉で表現できない人々が紡ぎ出す物語は、言葉で明瞭に表現できる一人の人間が想像する人為的な物語より面白い」と。
言葉に還元できない映画、リアルな映画、非人為的な映画、‥‥。
盛らない映画、作らないで作る映画、それでも見るに耐える映画をどう作るか。
贅肉がなくて、余白たっぷりの映画、それもふくよかでおおらかな映画、ゆるくてぴんと張り詰めた映画、そんな映画は可能か。 ハードルは低くない。
(「そんな夢物語はドツボの始まり。フットワークが悪くなる元凶!」 ついこの間 親しい友人にそう言われてしまった。おっしゃる通り。けど、そう簡単に舵が切れない因果。)