2ペンスの希望

映画言論活動中です

何度も見る?

う〜〜〜〜〜〜む。
映画も音楽と同じように何回も見る時代に入ったのだろうか。
お気に入りのCDを何度も何度も繰り返し浴びるように聴いて楽しむがごとくに。
そんなことを考えてしまう映画を見た。平日の午後大阪梅田のミニシアター、単館ロードショー。192分。
確かに、
「これまで見たことのない画」に幾つか出会った。「作り手はこれを撮りたかったんだろうな、見せたかったんだろうな」と思わせる画(カット)にもお目にかかった。
予定調和なドラマを拒否する姿勢も伝わってくる。小奇麗にまとめたくないという思いもわかる。現実や歴史は作り物を超えて拡がっている。そんな通奏低音も聞こえてくる。
けど、
演技陣は正直稚拙で目も当てられない。耳をふさぎたくなる。異様・異形だが意外ではない。想定内。展開・構成はよくある尋常タイプ。物珍しいものではない
「おっと、そうくるか、なるほどね、ふむふむ」 すれっからしロートルをうならせるには至らない。ほど遠い。
ただ、
流れる空気は薄くない。むしろ濃い。濃いのにトロミには欠ける。さらさら、粘りがない。 それでも、
チープな安普請を破って、時たま見せる「はみ出し」や「綻び」が引っ掛かる。気になる。そんな映画
だった。
    ×   ×   ×
ちょこっとググってみたら、エラソーな哲学者先生が、「圧倒されて何度でも見ている」なんて書いてある。うーん。わかるけどわからん。
作った監督さん、数年前にこんなことを言っている。印象的だったので当ブログにも何度か書いたので憶えている。「日本で作られている映画って、遊園地やテーマパークぐらいは連れてってくれるけど、旅に連れだしてくれるような映画はなかなかない。
こちらはよくわかる。
旅にもいろいろある。travel journey tour trip ‥‥さしずめ  journey か。
    ×   ×   ×
ここまで書いたところで、こんなニュースを知った。
●気味悪さを狙ったムカデ型ロボット
開発した制御工学の先生は「AIのような高度な制御機能はあえて使わず、市販のモーターや電池を使い、おもちゃのように単純な構造」と語っている。
早速YouTubeにもアップされていた。

言わずもがなだが、開発した研究室チームは、もとより気味悪さを狙ったものではなかろう。災害救助や危険地帯の無人探索現場にチープで実用的に供するための開発だろう。ただ その動きの生々しさ・リアルが或る感興を醸し出す。開発チームリーダー教授のコメントが示唆的だった。
「ムカデ型ロボットが本物っぽく見えるのは、自然にある障害物のおかげだ。生き物の動きは周りの環境があって初めて生き生きと見えるのではないか
毎日新聞2017年4月4日ネット配信記事から】