2ペンスの希望

映画言論活動中です

原作物

小説や漫画を原作とする映画は昔から多い。
ただ、映画を見たから原作はもう読まなくていい、とか、映画化されても「めちゃくちゃにされて」失望するだけなので絶対観に行かない、なんて人が居る。
ストーリーや主題、題材、何が写っているか、どんな筋書・顛末なのかが分かれば何かを理解したことになる、そう思っているのだろうか。勿体ない話だ。
小説と映画はまったくの別物。かたや文字による純正品、こなた映像を中心に音・音楽・美術などを総動員した複合生産品。比べる方が無茶、どだい間違っている。端から分かり切った話だ。
小説は、書き手も読み手も単独行、比較的おおらかで自由度が高い表現物。
映画は、作り手も受け手も原則 団体行動、ムカデ競争の総力戦、その分豊かで広いが窮屈でもある。使う筋肉も愉しみ方も ‥‥何もかも違う。かつてはそうだった。撮影所があり映画館でしか映画が観られなかった昔はとりわけそうだった。 
今も知名度や話題性頼りの保険・担保ということなのだろう。あまりに世界観が違ってしまうと失望するのもわかるが、同じ題名を持つ別物として両方愉しむたしなみが欲しいところだが‥何、そんな暇とお金は無いって‥‥そいつは無念千万、残念至極。