2ペンスの希望

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特典・オマケ

モノがありすぎる不幸が蔓延している。
DVDやBlu-rayには多種類の字幕スーパーや音声吹替え、予告編収録やメーキング映像などがつくのが当たり前になっている。いわゆる特典映像・オマケだ。
選ばれるために、商品の本筋に付随して別の付加価値がこれでもかこれでもかとてんこ盛りされる。キャラクターグッズやイメージ商品、関連ビジネス展開も盛んだ。パチンコ台タイアップやテーマ・パークまで含めればその経済規模はさらに広がる。
すべてが消費の対象として換金作物化されていく。
ハリウッドや大手映画会社だけのことではない。換金作物化は、中小零細も同じこと、右にならえだ。
ミニシアターでは、監督さんや出演者の挨拶・トークショーにはそれなりに人が集まるが、終わると潮が引いたように閑古鳥が鳴く、という話を聞く。何年も前からそんな状態(常態?)だと劇場支配人さんは嘆く。なんらかの特典・オマケが無ければ、DVDレンタルで十分、映画館まで足を運ぶ値打ちは無い、ということか。嘆かわしいと嘆いてもそれが現実だ。その喧騒が嫌で、わざわざイベント日を避けて、そっと映画だけを観に行くお客さんも僅かだがいる。
知られざるエピソード、ココだけの話、ぶっちゃけ本音トークスペシャルエディション、ディレクターズカット、ノーカット完全版、そんな釣り文句に引っかかってお金をはたく。
余所見ばっかりしないで、もっともっと映画本来の力で勝負する奴はいないのか。
もっとも、音楽の世界でも、握手券付CDなんて阿漕な商売もあり、またそれを山ほど買う輩もいるご時世。ジャケ買いなんてのも昔からあった。オッサンだけが知らないだけで、映画もそれが当たり前の消費ビジネスになっているのかも。