2ペンスの希望

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全記録と謳うなら

申し訳ないが、ずっと前からキネマ旬報は本屋の立ち読みで済ますことが多くなった。買うことは滅多に無い。
というわけで、先日も最新号を立ち読みした。
原一男さんの塚本 本「『野火』全記録」の書評が載っていた。「身体性へのこだわり」「自主制作へのこだわり」などを挙げて二人の間の類縁性を語り、「凡百のメーキング本」とは異なる、と称賛していた。分らぬでもない。 全記録本には、塚本vs原の対談も収録されているのだから。塚本版野火は、映画も観たし、本「『野火』全記録」も読んだ。(正直、映画より本の方が出来が良いと管理人は感じた。)本からは、塚本晋也さんが何故今、野火を作るのか、何を描きたかったのか、その切実は伝わってきた。
ただ、文句もあった。
全記録と謳うのなら、機材の詳細やお金の話(製作費やPA費)についても可能な限りで言及して貰いたかった。機材についてはSONYデジタルカメラを採用したとまでは書いてあるが、機種名、レンズ群までは記載なしだ。
資金調達は、父親の遺産を核に、とあったが、詳細はない。
かましい無い物ねだりであることは百も承知しているつもりだが、後進の若い世代のためにも、ここは徹底的に(いやこの場合テッテ的にというのが正しい文法だ)書いて欲しかった。

オマケ↓  全然違う? どこか似てる?