2ペンスの希望

映画言論活動中です

最早

最早、「産業」としての映画、「事業」としての映画は、日本では終わってしまっている、
そう思えてならない。いやそんなことはない、シネコンには若い観客が列をなしているし、ジブリをはじめアニメにはそれなりの集客がある、そう云われれば、否定はしない。けど、独断と偏見と乏しい経験で言うのだが、日本国内で作られている映画百本のうち九十九本は赤字だろう。DVD販売やTV放映を含め、観客から集めたお金で帳尻が合っている映画が何本あるのか、お寒い限りだ。
多くの人々にとって、「娯楽」としての映画、「芸能」としての映画、「教養」としての映画、「情報」としての映画、「メディア」としての映画は、今や『端っこの選択課目』に過ぎなくなっている。そう思えて仕方がない。良い悪いではない。日本の映画の明日を語るためには、ここから始めるしかない。
とどのつまり、日本の映画状況には、正規軍を養うだけの力がなくなったということだ。メジャーもマイナーもインディペンデントもない。全てはゲリラ軍。それはそれでヨシとして前を向くしかないが、ゲリラだから何をしたって構わない、というわけでもなかろう。
作り易くなったからといって、楽になったわけではない。むしろ、きつくなっているという実感の方が大きい。
昔も今も、自他共に、楽してエエ目に会うことなんてないのだ。
そう肝に銘じておきたい。