2ペンスの希望

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精神 雲泥

映画会二日目のお客さんは三人だった。
上映したのは、回復した精神障がい者たちの生活拠点・北海道浦河町にある「べてるの家」の日常・暮らしぶりを撮った連作=『ベリー オーディナリー ピープル 予告編』第一部〜第三部。題名も素敵だが、中身がスコブル面白い。
精神障がい者が実名でぼんぼん登場する。
何年か前に、「観察」映画と称して「これまでタブーとされてきた精神科にカメラをいれ、「こころの病」と向き合う人々がおりなす悲喜こもごもを、モザイク一切なしで鮮烈に描いた日本初のドキュメンタリー!」というご大層な触れ込みで売り出した映画があったが、嘘っぱち、大間違いだ。
それより十年以上も前に、モザイクゼロ、登場人物たちの実名がスーパーインポーズされる映画『ベリー オーディナリー ピープル 予告編』は第一部から第八部まで出来ていた。この映画シリーズ、精神障がいにかかわる人々の間(業界?)ではそれなりに知られている。ずっと前にDVDも出て今も入手可能だ。
遅いか早いかが問題なのではない。「精神」を描こうとしていながら、先行する映画について調べが足りなかったり、勉強が不十分な怠慢と精神の弛緩が問題だ。
「観察」という視線もなにやら冷たくヨソヨソしい。映画の出来も雲泥の差だ。
声の大きい人、立ち回りの上手い人だけがいい目を見ることはない。
それにしても、観客三人はちと寂しい。よって映画会のHPを記して宣伝。
⇒ http://www.geocities.jp/sasuke_n03/world/shinomiya/Welcome.html
『ベリー オーディナリー ピープル 予告編』第一部〜第三部の上映は、
7月1日火曜日午後から 大阪中崎町シネマ館で、
7月6日日曜日午後から 京都岡崎いきいき市民活動センターでもある。
三本立て1000円。騙されたと思ってお出かけあれ。