2ペンスの希望

映画言論活動中です

3A

作り易くなった分、作り難くなった。
最近の映画についてそう思っていることは何度か書いてきた。
開きながら閉じている、とも。
機材と技術の進化で、新しい映画は、もっともっと自由度が増していて良いはずなのに、むしろ窮屈で不自由な印象を受ける。どうしたことか。
端的に云ってしまえば、誰でも撮れてしまうことで、腕を磨かなくなったこと、挙句の果てにそのツケが回ってきたということだろう。もっと伸び伸びと自由に何でもありの過激派が登場して欲しいと思っている。
なのに皆ちんまりとおとなしく行儀が良い。そこでお薦めしたいキーワードがある。
3つのAだ。
1A Antithese 独語 
アンチテーゼ・反対命題・反措定。異議申し立てと理解している。
2009年2月エルサレム賞の授賞式での村上春樹の挨拶を思い出す。「高くて、固い壁があり、それにぶつかって壊れる卵があるとしたら、私は常に卵の側に立つ
2A Anarchy 英語 
アナーキー 無政府・無秩序・無統治状態、秩序が失われた状態。というより むしろ、権威や支配という構造・あり方そのものを否定する意志。つまり「何でもあり」の精神
3A Ancien 仏語 
アンシャン 古い・古代の。かつてNDU(日本ドキュメンタリストユニオン)の布川徹郎さんは「未来より現在が大事。現在より過去が豊か」と口癖のように言っていた。

3Aで行くためには、教養と腕前が不可欠で、それ相応の努力と経験が求められる。
このことは肝に銘じておいた方がE。(関西弁なら、これもA)