三年ぶりに東京単身赴任生活から関西に戻ってきた後輩の感想が面白かった。
｢東京には何でもあったけれど、何にもなかった。」
彼は生粋の大阪人だ。何が言いたかったのか、足掛け十一年の単身赴任生活経験者の先輩としては良く分かった（様な気がする。）
それにしても、言葉というのは面白い。
昔々東急ハンズのＰＲ映画を作ったことがあった。その時のタイトルは『ないものはない東急ハンズ』。 もちろんウチには「ないものはない」という自負･豪語だが、一方で、「ないもの」については、どういわれようと「ない」「ありません」という開き直り・断念ともとれる。 同語反復の妙だ。
１９８８年バブル全盛期、高名なＩさんのコピーにはこんなのもあった。
「ほしいものがほしい」
そして、最近目にして、気に入っているのが 「モノにする、ということ。」
あるイメージ・アイディア（考え）を具体的な一つの「モノ｣（形）にすることであり、同時に
｢自分のモノにする(手に入れる）」ことでもあり、
「何ごとかを習得・達成して世間様に通用するモノに仕上げる｣意でもある。
〈形〉･〈所有〉･〈達成〉の複合物‥ふっくらふくよかに気持ちよく‥ある真実を語っているように見える。
