2ペンスの希望

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「製品は良くなると美しくなる」

歳を経てから知り合って親しくなった友人が、最近ブログをリリースした。電機メーカーの研究職でいまも現役、映画一本やり守備範囲も交際範囲も狭い拙管理人には珍しい理系の友人だ。ブログのタイトルは「photo poetry 」
URLは、http://xigen.blog.fc2.com/
一度ご覧いただけると分かるが、詩と写真の対位法で構成されている。写真はすべて自作だ。これまで書き溜めてきたものが一気にほとばしるようなボリュームにも圧倒されるが、ただ今の拙のお気に入りは、「製品は良くなると美しくなる」というこのページ。
http://xigen.blog.fc2.com/blog-entry-28.html
映画にも全く同じことが言える。
無駄を省き贅肉をそぎ落とすことで、引き締まったものほど、ふくよかで豊かな美をもたらす。但し、それは、効率優先・合理性のみからなる〈機能美〉とは少し違う。ただただうっとりと眺めていたくなるような美しさだ。奥行きの深さというか、余白の拡がりというか‥‥。
末尾にはこうある。
初めから美しさを求める設計は危険だが、良い製品にしてゆくことの中で技術者は美を追究することが可能なのだ。
全く同感!  良い製品にすることを忘れて美を求めるものはすべて卑しい。
そういえば、大昔「用を極めて美に至る」なんてタイトルを考えたこともあった。
(前にも何度か書いたっけ。繰り言は老化の証しだが、同じような思いを抱く人に出会うことは幾つになっても嬉しい。)