2ペンスの希望

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中央の消失

渋谷の映画館・シネマライズも閉館するという記事を読んだ。
東京を代表する繁華街でも、1スクリーン303席のミニシアター経営は立ち行かなくなってきたということだろう。
シネマライズ渋谷は、ポスト岩波ホール世代にとって、ミニシアターの本丸のような存在だった」と誰かが書いていた。本丸も落ちたということか。「ミニシアター文化の終焉、渋谷の凋落」なんて論評も‥‥。けど観客が集められなくなったんだから仕方なかろう。
「またひとつ良心的な新作を掛ける映画館が消える」なんて嘆きも聞こえてきそうだなと思ってたら‥‥「いいじゃん、新作なんて観なくても。綺羅星のごとき過去百年の名作に比べれば、新作は歩留まりが悪すぎ。お話しにならない。」東京在住の一オールドファンから醒めた声が届いた。彼は最近もっぱら、昭和の映画を中心に上映している「神保町シアター」や「NFC(東京国立近代美術館フィルムセンター)」に足を運んでいるようだ。「けど旧作・過去百年の名作群なら、中央にいなくとも見られるよ。」そう返信した。DVD、Blu-ray Discなどのパッケージソフト、BS・CSの映画チャネル、などなど。
視聴環境に贅沢さえ言わなければ視聴機会は格段に増えた。
東京の意味・価値・役割がどんどん消えていく。中央の消失。中央からの離脱・独立が進む。 愛でたい!お目出度い?