2ペンスの希望

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川上本

ウエヴの活用は必須アイテムだ。
ということは理解しているつもりだが、いかんせん旧人類にはチンプンカンプン理解不能が多すぎる。そんなわけでちょっと前に川上量生(のぶお)さんの『鈴木さんにも分かるネットの未来』【岩波新書新赤版1551 2015年6月 刊】を読んだ。鈴木さんというのは、ジブリ鈴木敏夫プロデューサーのこと。書いた川上さんは、ニコニコ動画を立ち上げドワンゴを率いるITビジネスマン。書いてあることをすべて理解できたとは到底思えないが、刺激を受けた。幾つか列挙してみる。
◎ネットには「ネットをツールとして利用する人種」と「ネットに住んでいる人種」が生息。  ネット原住民と移住者、新タイプのネット民の侵入による抗争、世代間対立の様相。
コンテンツとプラットフォームの関係:課金のしくみ。〈無料〉の混乱・混在・功罪。
オープンからクローズドへの潮流:有料メルマガの進化形「ブロマガ」の登場
「顧客接点」というキーワード:顧客接点をいかに死守するかが生命線。従来型の
  セルフブランディングに加えて、ネットを通じたファンとのコミュニケーションが必須ス   キルに加わる。
◎伝送路・送受信の形:TVとインターネットの近未来モデル:棲み分け理論。
◎先行事例としての「コミケ」研究
 ○すべてを「参加者」と呼び、対等であり「お客様」は存在しないことになっている。
 ○リエーターと消費者の距離が近い
 ○コンテンツの発掘と宣伝の場としての機能。
 ○クオリティ(中身の出来)より周辺を巻き込む環境つくり

などなど、噛み締めてみたい言葉が並んでいる。
同じ はてなブログ琥珀色の戯言』にこんな評言が載っていた。引用する。
  「「鈴木さんにも分かる」というのは、「そこらへんのオッサンにも分かる」という意味で   はありませんでした。
   「これまでクリエイティブな仕事をずっとやってきたり、既存のコンテンツビジネスに   ついての予備知識はあり、インテリジェンスも好奇心も持っているけれど、ネットの   世界のことには詳しくない人」向けなんですよね、これって。
    だから、けっして「簡単」ではないし、「入門書」ではありません。
   「インターネットって、何?」といレベルの人向きではないのです。
    むしろ、「いま、自分がやっている仕事は、今後のネット社会でどうなっていくの     か?」と疑問に思っている人や、「ネットで何かをやろうと思っているんだけど、      どういうアプローチをしていけば良いのだろうか?」という人にこそ、おすすめ。

詳しく読みたい方は⇒http://d.hatena.ne.jp/fujipon/20150706#p1 まで。
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