2ペンスの希望

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藩制 

全国津々浦々に一国一城の主が居を構える体制―これが映画の近未来モデルだ。
つまり、脱東京して目指すのは「江戸時代」の藩制ということになる。とはいえ、中央に「(徳川)幕府」はまったく不要。親藩も譜代も外様の別も要らない。
各藩それぞれに規模も来歴も異なるが、すべては横並び。多分 東京には幾つもの藩が乱立することだろうが、位置づけはあくまで一ローカル。大きな顔はさせない。
メジャーもマイナーも無し。プロもノンプロも大学も高校も同じ土俵に立つ「統一リーグ」。当然いずれの藩も独立独歩 自主独往を旨とする。但しコレ、裏を返せば、孤立無援ということだ。恃むは自らの器量と算段のみ。地場ものに留まるのか、全国マーケットに出回るのかは、戦略立案次第だろう。コラムニストの小田嶋隆先生は「独自的で、文化的で、翻訳困難で、換金性が低いものは、ローカルにとどまり、平明で、普遍的で、市場的で、換金性が高いものは、グローバルに出て行く」と述べている。【「超・反知性主義入門』163頁 日経BP舎2015年9月 刊】もっとも、「この「ローカル」「グローバル」という二区分法は、元来、商品を評価するための指標」、「カネに換算できない諸価値も視野に入れた論議がなければいかにも乱暴」と釘を刺すことを忘れない。
さてさてこのあたり、各藩にとっては思案のしどころだろう。‥‥続く。
追記:
数日前に書いた「コトニ夢映画制作プロジェクト」の映画を観た。採点は100点満点の55点。台本が散漫・杜撰。単位はあげられない欠点だった。残念。