2ペンスの希望

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生ハム

映画は、生ものではなく加工品。人が知恵と技術で練り上げた「練り物」或いは、「新鮮なままパッケージされた缶詰」だとは何度か書いてきた。【http://d.hatena.ne.jp/kobe-yama/20120205/1328455232】従って、新作偏重はよろしくない、何十年も前に作られた古い映画にも瑞々しく鮮やかに「新しい」映画がある。そう思ってきた。
練り物、といい、缶詰、と書いてきたが、どこかしっくり来ない残尿感があった。
そこに一刀両断、見事な定義(言葉)を送ってくれた先輩映画人がいる。四宮鉄男さん。メールにはこうあった。「わたしはいつも、生ハムのような映画を作りたいと思い、そしてまたそう言い続けてきた。 20年経ってから見ても、まるで削り立ての生ハムのように新鮮な映画。味わい深い美味しい生ハムのような映画。」【太字は引用者。言い回しも一部変えています。】
瑞々しい加工品。
時間を経て見ても、まるで「削り立ての新鮮さ」
優れた映画は「生ハム」なのだった。
ごちそうさまです。 いただきます。