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『時をかける少女』

先日、周りの若い人たちと「印象的な映画監督は誰?」という話になった。
50歳前後の世代からすかさず大林宣彦という声が上がった。彼らにとって忘れられない青春映画らしい。これを見て映画を志したという人もいた。ということで、今日は『時をかける少女』今もって彼らからはアイドル映画の金字塔と言われているそうだ。原作者筒井康隆もお気に入りの一篇みたい。

作詞:松任谷由実/作曲:松任谷由実/編曲:松任谷正隆
2012年8月18日TBSラジオ番組『宇多丸のウイークエンドシャッフル』サタデイナイトラボに出演した大林宣彦はこう語っている。
時をかける少女』は角川映画ではないんです。"角川春樹"映画なんです。角川春樹大林宣彦、二人の合作なんです。知世の中学の卒業から高校の入学までの28日間で撮ったんですが、これ1本を彼女にプレゼントして映画界から辞めさせようという映画だったんです。彼女は女優になるんじゃない。普通に女学生としてこれから生きていく子だから。角川春樹大林宣彦という二人のおじさんがいたいけな少女を愛しちゃったっていう映画なんです。
更に、
2013年9月10日号の『FLASH』の特集記事で、本作の制作費1億5千万円は角川春樹のポケットマネーだったことを証した。「角川春樹のプライベート映画だから、観客は角川春樹だけでいいと思っていた、二人の"あしながおじさん"ならぬ、"胴長おじさん"が、知世のために映画を1本プレゼントしてあげようと。知世が30歳、40歳、50歳、おばあちゃんになったとき、昔を懐かしんで、部屋でひとり誰も観なかった『時をかける少女』を観ている姿もいいな、と考えていた。
角川と大林は本作1本を原田にプレゼントして映画界から辞めさせようと考えていたそうだ。そのため、原田の中学の卒業から高校の入学までの短期間に強行軍28日間で撮影した。FLASHの同じ号で、
エンディングで原田がカメラに駆け寄り笑顔を見せるが、あの笑顔の前に大林がいて「間に合った、学校に戻れるね」と声をかけている」というエピソードも明かしている。
【ここまでのエピソード・裏話はすべてウィキペディアから引用】
そう思ってエンディングを見直すと、映画つくりの舞台裏が髣髴してこないだろうか?