㉗は荒戸源次郎 1946(S21)年10月 生。
荒戸源次郎とくれば、何といっても"産直映画方式"の提唱・実践者としての印象が深い。監督やプロデューサーとしての仕事よりずっと意義が大きい。そう思っている。
「産地直送映画」自分たちで作った映画を、自前で建てた移動式エアドーム型仮設映画館で長期自主上映して資金を回収する「製作→興行 一貫方式」の創設。
鈴木清順の復活作『ツィゴイネルワイゼン』(1980年)は東京タワー下の銀色のドームシアター"シネマプラセット"で三カ月のロングランで五万六千人の観客を動員した。
当時、雑誌に載った荒戸源次郎のインタビュー記事がスコブル面白い。
https://www.asahi-net.or.jp/~hi2h-ikd/film/harada8005.PDF
【あの角川春樹が角川書店社長を務めていた時代の月刊誌「バラエティ」1980年5月号だろう】
時間の有るときにでも、つぶさにご覧になることをお薦めする。
「冒険する日和見主義者」という願望に荒戸らしい「やつし(オシャレ)」と「本心」を感じる。
【特別附録】
のち1987年 夏 、小川プロらは維新派の協力で京都に"千年シアター"を作り、新作『1000年刻みの日時計 牧野村物語』を上映した。産直映画の試みはこれからも形を変えながら続けられることに違いない。