新しく産まれるミニ・シアターもあれば、健闘(悪戦苦闘?)を続ける映画館もたくさんある。座席数28席多分日本で一番小振りな映画館シネマノヴェチェント(横浜市横浜区)はフィルム上映にこだわる。
同じく、横浜伊勢佐木町にあるシネマリンは、半世紀以上の歴史を持つ老舗映画館を地元の映画ファンだった八幡温子さんが買い取って引き継いだ。
「165席から102席に減らし、天井を高くした。デジタルの映写機を新たに導入し、35ミリフィルムの映写機は取り換えた。内装や照明、音響にも手を入れた。私財を5千万円以上投じた末、14年12月に再出発した。」【2021.5.14. 朝日新聞デジタル記事《「街の映画館」の誇りと覚悟 右翼の上映中止要求に声明》茂木克信記者】
「「うちはアート系の映画館です」とお高くとまっていても仕方ない。気楽に入って観終わったら商店街の飲み屋さんで一杯ひっかけて帰る」八幡さんはそんな映画館を目指している。
他にも色々ある。「 海に浮かぶ映画館」。主催者のウエブサイトには「1年に1度、年末の3日間だけ横浜某所に現れる、船の中の映画館」とある。
湘南には、映画の見られるカフェーがいくつもある。鵠沼海岸駅近くの「映画と本とパンの店:シネコヤ(竹中翔子オーナー)」、
逗子海岸には「泊まれるシネマカフェ CINEMA AMIGO (長嶋源 館長)」
‥‥映画をみる場所は、きっと全国津々浦々あちこちに拡がっている。(いずれもウエブサイトを持って、情報発信している)
それぞれに、動機も事情も志も違うことだろう。事業規模も経営負荷も、立地も歴史も環境も、懐具合も綱渡り手法も何もかも‥‥異なってる筈だ。それでも「誰かと一緒に映画を見る・見せたい」という根っ子は同じだと信じる。そしてそこには、必ず人が居る。いつも人が要る。
心から健闘と健康を祈る。
半分以上棺桶に足を突っ込んでいる70代80代(当管理人はココ)に続いて、ミニ・シアター全盛期を走ってきた50代60代もそろそろ息切れピーク越え、バトンを40代30代20代に託したい。彼らが切り拓く新しい風景に期待する。
(ミニシアターについてはまた書きたい。
(「映画は浴びるもの、内湯だけじゃなく、毎日通ったご近所にあった銭湯、たまに出掛ける温泉、名湯、秘湯‥‥」というふうに何度も書いてきた持論・自論を進化・新化・深化させて、近未来の映画受容感興・映画需要環境をウオッチ・スケッチしてみたい。その昔の浮世風呂・浮世床の復活・新生を夢見て。)