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シモキタ-エキマエ-シネマ K2

「シモキタ-エキマエ-シネマ K2」は2022年東京世田谷下北沢に2022年1月20日にオープンした映画館。1スクリーン座席数は71。企画運営会社Inclineを手掛ける大高健志さん(1983年生まれ 写真向かって右)と北原豪さん(写真向かって左)たちが手掛けた。

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大高さんは、映画などのクラウドファンディングサイトとして知られるMOTION GALLERYを運営している。(「K2」プロジェクトでも472人から752万205円を集めた。)支配人の北原さんはWebサービスの専門家、ロッククライミングもやられてるみたい。

館名「K2」は、カラコルム山脈にある世界の最高峰の一つ『K2』にちなむ。「多くの困難を乗り越え登り切ってできた映画を見て貰うハレの舞台の一つとしての映画館、その最高峰を目指す」という意気込みだそうだ。

MOTION GALLERYのプロポーザルには他にも様々な言葉が並ぶ。

劇場同時配信の仕組み『Reel』を使ったバーチャル スクリーンの試み。(映画館で実際に上映されている期間に限り有料でオンライン鑑賞することができるシステムらしい)、上映映画の関連作品などのオンライン配信提供、ベーシック・インカムプラットフォーム『BASIC』を使ったファンコミュニティーの立ち上げ、‥‥、ネットやITにはからきし弱い管理人には理解もイメージも難しいデジタル時代の新技術・しくみが眩しく並ぶ。

結節点としての映画館、「コモンズ=共有地」としての映画館、消費者ではなく当事者を生み出す場所となる、‥‥ などのフレーズも。

さらには「オンラインとオフラインのハイブリット映画館」なんて惹句も。

大高さんが日経COMEMO(コメモ)に寄せた原稿がある。(日経COMEMOは、日本経済新聞社がnoteというウエブ配信サイト上で運営している投稿マガジン)

映画館の経営について考える|大高健志@MOTION GALLERY

中で、岩波ホールの閉館に触れている。その上で、「これからのホール事業は企業メセナ・箱ビジネスから、クラウドファンディングも含めた市民参加のメディアビジネスへと転換していく」という新しい設計図を提示する。平坦な道のりではなかろう。お金も時間もたっぷりかかることだろう。息切れしないで体力を整え、新しい地平を切り拓いてくれることを願う。

目に付いた記事をもうひとつ貼っておく。

開館初日,K2で映画を観たクロダマサヒロさんのブログ⇒

下北沢に映画の光が新たに「シモキタ – エキマエ – シネマ K2」オープン – 下北沢情報サイト『しもブロ』

最後のエピソード「英語字幕の話」が面白かった。

今回上映されたのは「偶然と想像」英語字幕付き Wheel of Fortune and Fantasy (with English subtitles)、そう英語の字幕付きでした。普段、海外作品を日本語字幕で観ることはあっても、日本の作品を英語字幕で観るのは初体験。日本の作品を英語圏の皆さんに観て頂けるのは、大きな価値と可能性を感じます。

同感だ。シモキタには英語圏外国人も多いことだろうし、劇場同時配信を考えれば、英語字幕付というのは必須になるだろう。新しい胎動を感じる。ひとつひとつ、こんな具体から世界は変わっていく。