㊲は阪本順治 1958(S33)年10月 生。
この二、三年、日本映画は、新人監督のラッシュだ。次から次へと、それこそ雨後の筍みたいに生えて、いや、出てくるのであるが、出来はあまりよくない。春先の筍のように新鮮な味もなければ、将来、何億もの現金の置き場所になるくらいの立派な竹に成長しそうもない。もっとマジメに映画のお勉強をしてから監督品しな、と言ってあげたくなるような連中ばかりだ。
最近書かれた文章ではない。30年以上も前のものだ。
阪本順治デビュー作公開 間なしに上野昂志が雑誌「ブルータス」1989年8月15日号に書いた。そう書きだしたうえで、その第一作『どついたるねん』(1989年 製作:荒戸源次郎事務所 配給:ムービーギャング)をベタ褒めしている。
きわめてシンプルでありながら、見るほどに、そのさまざまな細部について語りたくなるような、最近では稀な本物の映画なのだ。(同上 「ブルータス」発表原稿から)
管理人も 公開当時 劇場で見た。興奮した記憶がよみがえる。