2ペンスの希望

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六根◎◎

六根清浄という言葉がある。仏教に由来する言葉だ。
六根というのは、眼(視覚)、耳(聴覚)、鼻(嗅覚)、舌(味覚)、身(触覚)の五感に第六感「心意(意識)」を加えて六根。 この六根から生じるさまざまな不浄の欲望を遠ざけ、身を清らかに保つべし。それが「六根清浄」の意味するところらしい。俗説とのことだが「どっこいしょ」はこの「六根清浄」が訛り音便化したものという説もあるようだ。
信仰者には申し訳ないが、俗にまみれた管理人には、六根清浄は到底無理な話だ。
六根清浄より六根上々で行きたい。
このところ日本の映画は、五感のみを相手にした「条件反射五感表層刺激型映画」や意識・思いが空回りしてる「頭でっかち映画」ばかりが目立つ。頭だけが先走った映画では心は動かせない。「こんなもんだろう」となまくらな五感で作られた安易なやっつけ仕事もダメなら、「これでもかこれでもか」の表層刺激型=テーマパークのアトラクションみたいな映画も物足りない。五感+第六感 心意、直感 インスピレーション)を最大限に動員して、身体丸ごと全身的感応(官能)を呼び起こす映画こそ映画だ。
「六根上々」映画を目指したい。