複雑回帰 ‥ 誤字じゃない。
単純明快・簡単明瞭なお子様仕様のお手軽お気楽映画ばかりが幅を利かせるんじゃなしに、たまには、しっかり練りこまれて歯ごたえのある映画に出会いたい、そんな願望が抑えられない。
映画は、芳醇、法楽、馥郁、愉悦、情緒纏綿、極上気分、贅を尽くした複雑・複製・贅沢品であることを忘れないで欲しい。思い付き・早い者勝ちの促成栽培よりも丹精こめて手塩にかけた熟成発酵品を求める。そのための「複雑回帰」。
ただし、練りに練った「構想○○年」の押し付けはいただけない。理屈や講釈も避けたいし、知識のひけらかし・蘊蓄自慢もうっとおしい。
練り物をさりげなくさらっとさわやかに差し出されるのが映画の快だ。買いだ。気色イイ。ということで「複雑快気」
粗雑な苦しまぎれであることは承知。ただ、日本の映画が長期病気療養中で容体が少しずつ悪化しているような気がして‥‥いつかどこかで「快気祝」を迎えたいなぁ、と。
そのためには、はらわたをえぐる開腹大手術が必要だという声も聞こえてくるが‥