2ペンスの希望

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監督って‥

今「監督」といえば、スポーツの監督さんか工事現場の監督を思い浮かべる人の方が多いのではないだろうか。映画監督のことを考える人がどれくらいいるだろう‥‥なんてことを思いながら、映画の雑誌を読んでいたら、現役バリバリの映画監督が座談会でこんな発言をしていた。
「映画監督というのは、プロ野球の(やとわれ‥註:くだんの監督さんはここまでは言っておられない。当ブロガーの勝手な加筆)監督のようなもの。(お仕着せ‥ゴメン!これもブロガーの勝手な加筆)の企画で、球団やフロントが獲得した(あてがい扶ちの‥又々ゴメン!これもブロガーの勝手な加筆)選手=役者を使って、ゲームをこなす。プレーするのは選手=役者諸君。(良い成績を上げれば選手の成果、悪い結果なら監督の責任‥註:もちろんこんな愚痴っぽい発言もしていない。文責はすべて当ブロガー)それでも、お声が掛かれば、監督として試合に臨む。」
大手の企業が作る映画の「監督」さんというのはそういうものなのだろう。きっと昔から‥。(社員監督もいたが、何本か撮ると作品契約に移行することが多かったようだ。)だから、大手で仕事を請けながら、一方で、本当に作りたい映画は、別途自分のチームで企画し制作する、そんな両刀遣いで仕事をする監督さんも多いようだ。
外野や無責任な評論家から好き勝手なことを言われながら、仕事をするということでなら、プロ野球の監督≒映画監督というアナロジーも分からぬでもない。しかし、幾つかの点で決定的に違う。
一番ハッキリしているのは、プロ野球の監督さんは99%が現役経験豊富なプロ選手を経てなる、ということだ。それに比して、映画監督は、とりわけ自主映画の監督は、明日からでも、素人でもなれる。ちょっと前には沖縄の中学生映画監督がメジャーデビューした、という話題がニュースになった。品質も何もあったもんじゃない。それほどにアナーキーになっている。誰でも作れるし、誰が作ってもいい。
けど、技倆や修練、百年の蓄積は一体どこにいってしまったのだろうか。