2ペンスの希望

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合掌

今日3月12日は、友人の映画監督の命日だ。野村惠一という。
生涯かけて、自前で五本の劇映画を作って逝った。
「企業の映画・資本が作る映画でも、作家の映画でもなく、僕はみんなの映画を作る」というのが口癖だった。中身スカスカのハリボテ大作映画でもなく、青筋立てて神経質な生煮え作家映画でもなく、「作る人も見せる人も見る人も、かかわる人みんなが楽しんでもらえる映画を作る、そのために腕を磨く」と生きた64年は、チト短すぎた。
歳を重ねてくると、結婚式より葬式に参列することが増え、誕生日より命日を憶えるようになる。その通りなのが寂しくもある。‥が、倦まず弛まず遠くまで行くしかない。合掌。