2ペンスの希望

映画言論活動中です

遊び!

今日は「遊び」の話。ハンドルに「遊び」がないととても運転しにくい、適度に「遊び」がなければ建具は開けたて出来ない、と云われる。ハンドルに遊びがないとちょっとした動きでも曲がってしまうし、路面に応じてハンドルがいつも震えて運転しにくいというのだ。(もっとも、ハンドルの遊びはない方が安心・安全という意見もあるが‥。)
建具の場合、遊びは必須だろう。キチキチでは開け閉めに不便だ。
辞書で「遊び」の項をを引いてみると、何番目かに「ゆとり。機械や建具などで部品と部品の結合部分にごく僅かゆとりを持たせること」とある。木材は湿気を吸ったり乾燥具合で膨らんだり縮んだり寸法が変わる。動きをスムースにするための職人の智恵、それが「遊び」なのだろう。ゆとり、ゆるさ、隙間、余裕、ガタ、‥。
大工さんの世界でも、木組みと木組みの間にほんの僅かに隙間をつくる。これを「遊び」という。のみ穴を少し大きめに開けておく工夫も「遊び」だ。建物が建った後、木材が狂ったりあばれたりしたときの用心に、あらかじめ力の逃げを作っておく、というわけだ。
美容師さんの世界でも、あえて髪型をピシッと決めず、毛先をねじったりはねさせたりするのを「遊び」と言うそうだ。
「遊び」まで計算してやってのけてしまう、それがプロの仕事。
もちろん「遊び」が過ぎて、ガタついて、おさまりが悪くなってしまっては台無し。
これは言うまでもあるまい。